ヴィッセル神戸のドイツ人トルステン・フィンク監督(52)は10日、神戸市内での練習後、オンラインで取材に応じた。この日は練習冒頭にミーティングを行い、その後に雨の中で調整した。

中2日で迎える11日のアウェー大分トリニータ戦。8日サガン鳥栖戦を含め、短期間で2度も神戸と九州北部を2往復する強行日程だ。しかも感染対策のため、試合前日ではなく当日移動して公式戦を行うという、プロの慣例にはない動きになる。

フィンク監督は選手の入れ替えを示唆しながら、慎重な言い回しをした。

「本日練習をやって、試合は明日(11日)夜。けが人の状況もあるので、できる限りいいメンバーでいきたいが、選手に休養が必要なら与える。あくまで勝ちたいし、交代させる必要があるなら(入れ替えは)特に問題はない。結論は明日(11日)に出す」

MFイニエスタは再開後2試合で、フル出場、89分間出場とほぼフル稼働しており、前節鳥栖戦でチームが今季初勝利を挙げていることから、36歳の体調面を考慮して先発や遠征メンバーから外れる可能性はある。

攻撃的な選手では21歳MF郷家、21歳MF安井、30歳FW藤本らが先発で出場する可能性が高い。再開後、1度もベンチ入りしていないDFフェルマーレンについては、指揮官は「不明」とだけ明かした。

開幕後1勝1分け1敗の神戸に対し、大分は再開後2連勝中で通算2勝1敗と好調を維持。

指揮官は「相手への準備はあまり時間がなかったので、動画を見て話し合っている。前節の鳥栖はすごく堅守のチームだったが、大分はまた全然違って、ボールを持ってプレーする。我々もスタイルを貫いて勝ちたい。相手に合わせるのではなく、相手の弱点をつくというシステムでやっていく」と、受け身にはならない意思を明確にした。

前日9日に発表された、中断中のACLが10月から再開されることには、「過密ではあるが、試合ができるのはうれしい。優勝したい大会。やるからにはできるだけ早く1次リーグ突破を目指し、果たしたら他の選手に出場機会が与えられる。メンバー全員出るチャンスがある。10月まで時間はあるので、まずは7、8、9月の連戦に備えたい」と、目の前のJリーグに全力投球する姿勢を強調した。【横田和幸】