Jリーグは、10日のJ2ファジアーノ岡山-ギラヴァンツ北九州戦(Cスタ)から上限5000人の有観客試合に踏み切る。新型コロナウイルス感染予防の3密(密閉、密集、密接)回避へ、どのような試合運営が行われるのか? ウィズコロナのJリーグ、各クラブの取り組みや現状を紹介する。

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ようやく観客席にサポーターが帰ってくる。なのに!? セレッソ大阪は12日のホーム名古屋戦で限定5000人の販売も、即完売どころか9日時点で半数以下の約2300人分しか売れていないことが分かった。

待ちに待った“解禁”も、浪速のサポーターはシビアだ。要因のひとつに考えられるのが、制約の多さ。マスク着用はもちろん、入場前の検温を含めた体調チェックもあり、通常は行える行為がことごとく「NG」となる。

ヤンマーではアウェーサポーター席を閉鎖。ホームのサポーター席も完全指定で席の間隔を空ける。声をあげての応援、手拍子、タオルマフラーを回すなどの応援行為はすべて禁止。コストパフォーマンスに厳しい大阪人だけに、「金払って現場に行く意味ないんちゃうん」という心理が働いているのかもしれない。

チケットは、ファンクラブ会員限定で販売してきたが、試合前日11日に一般販売を行う。名古屋に勝てば首位キープの開幕4連勝。その瞬間を現地でともに味わうのは、かなりの価値に相違ない。8日の無観客だった清水戦で決勝ゴールを決めたMF奧埜も「(無観客のスタンドに)ユニホームを飾ってくれて力になった。(次節から)サポーターが来てくれるのはホームで力になる」と言った。

C大阪も録音した声援を流すなどしたが、やはりリアルなサポーターの存在は大きな力になる。悲願のJ1制覇へ好発進を決めたC大阪。来てくれて、損はありまへんで!!【実藤健一】