“地元五輪”へ名乗りを上げる。東京に今季加入した、大卒ルーキーMF安部柊斗(22)、MF紺野和也(22)、DF中村帆高(22)の3人は東京五輪世代。U-23(23歳以下)日本代表への招集経験はないが、五輪の延期によってアピール時間が増えた形となった。A代表と兼任する森保一監督(51)も新戦力の登場に期待をかける中、東京から東京オリンピック(五輪)出場を目指す。

五輪への切符はわずか18。オーバーエージを除けば15という狭き門に、地元東京の大卒ルーキートリオが挑んでいる。明大から加入のMF安部は前節の柏戦ではフル出場し、走行距離は11・4キロと両軍最長。主力に定着しつつある。ボランチからトップ下まで中盤をこなし、ハードに走り回りながらゴールにも絡める万能型だ。「Jリーグで活躍して代表に入りたい」と、五輪延期をプラスに捉えて前を向く。

MF紺野は、ドリブルに突出した特徴を持つ。161センチと小柄だが、重心が低く細かいタッチで緩急も自在。狭いスペースを切り裂く打開力で、1年目ながら開幕戦にも途中出場した。DF中村も左サイドバックで開幕戦に先発しており、昨季2位の東京で戦力として認められている。森保監督は「これからレギュラーをつかむ活躍をしてくれれば、自然と道が開ける」と、期待とともに今後を見守る。

チームの五輪世代では、DF渡辺が昨年から同世代代表に選出されている。渡辺も大卒1年目だった昨季にレギュラーの座を勝ち取ったことで、代表入りを手にした。東京出身で現在スペイン1部マジョルカでプレーするMF久保も含め、東京五輪だからこそ“東京組”が存在感を放つべく、新人トリオがまい進する。