「この国を去るのが寂しい」メルボルンVでのラストマッチを終えたMF本田が心境を吐露」

スポーツ報知
メルボルンV・本田圭佑

◆アジア・チャンピオンズリーグ2019 1次リーグ最終節(22日) ▽E組(メルボルン・レクタンギュラースタジアム)広島(日本)3―1メルボルンV(オーストラリア)

 元日本代表MF本田圭佑(32)のメルボルンVは、ホームで広島に1―3で敗れた。この試合を最後に退団が決まっている本田は右MFでフル出場。得点には絡まなかったが、スルーパスで絶好機を演出するなど存在感を示した。

 オーストラリアでのラストマッチを終えた本田は、地元テレビ局のインタビューで感謝の思いを口にした。

 「オーストラリアのサッカーの雰囲気は好きだ。素晴らしい国で、人々の振る舞いも素晴らしい。この国が好きだし、ここを去るのが寂しいし、とてもこの国の人々を尊敬している。Aリーグが、欧州のリーグのような素晴らしいリーグへと発展していくことを願っている」

 ラストマッチでも質の高いプレーを披露した。ひし形の中盤の右で先発すると、前半26分に中盤でのパスカットから1人でドリブルで持ち込み、右サイドからクロスを供給した。直後の27分にはFWトイボネンへ絶妙なスルーパスを通し、GKと1対1の絶好機を創出。惜しくもゴールにはならなかったが、攻撃陣をけん引した。

 ロシアW杯を終えた昨年8月にメルボルンVへと移籍。10月の開幕戦でいきなりデビュー弾をマークするなど、8節までに5得点を挙げた。だがその後は腰痛や右足の故障などで2か月ほど離脱。復帰後は前半戦ほどの数字は残せなかったが、最終的にリーグでは7得点6アシストを記録した。

 「ケガは(後半戦で)僕がよくプレーできなかったという理由ではないと思う。ケガが癒えた後は、相手チームが僕への対策で何をすべきかを分析していた。しっかり対応してきたので、前半戦ほどにはインパクトを与えられなかった」

 21日の前日会見では、改めて2020年の東京五輪でオーバーエージとして出場する目標を口にした。

 「東京五輪でプレーしたいから当然、現役でプレーを続けたい。でも、次にどこに行くのかは分からない。まずは、今季を終えて少し休みを取りたい。そして自分にとって、2020年というターゲットのために何をするのがベストなのかを決めたい」

 そのために欧州のリーグなど、よりレベルの高い場所でのプレーを希望している。この日の試合後に本田と言葉を交わしたマスカット監督は「彼が感謝の意を伝えてきたので、私からも同じことを言った。彼の将来的な新しい冒険の成功を祈っている。彼は、五輪でプレーをする野心的な挑戦のために高いレベルでプレーし続けられるどこかに行きたいと言っていた」と明かした。

 「できる限りベストは尽くした。ファンやチームメート、監督をリスペクトしているし、特にどんな時でも熱いサポートをしてくれたサポーターにとても感謝している。すぐにみんなのことが恋しくなると思う」とメルボルンに別れを告げた本田。来季はいよいよ東京五輪シーズン。これまでも様々なサプライズを提供してきた男の動向に注目が集まる。(植松久隆通信員)

サッカー

×