再開後のJリーグはこの男を見ろ。神戸・古橋に漂うさらなる飛躍の予感

スポーツ報知
神戸・古橋亨梧

 Jリーグが中断に入り、間もなく3か月を迎える。試合がなくなったJリーガーたちは、制限された生活のなかで再開の時に向け懸命に汗を流している。

 神戸の日本代表FW古橋亨梧(25)にとっては、うらめしいタイミングだったに違いない。今季の公式戦は初戦のゼロックス杯から4試合連続ゴールと絶好調。敵地で開催されたACL第2節・水原(韓国)戦で後半45分に決勝点を決め、横浜Cとのリーグ開幕戦ではチームの黒星発進を食い止める貴重な同点弾を放った。1点が欲しい場面できっちり仕事を果たし、間違いなく中断前のチームをけん引していた。

 昨季はリーグ戦10得点にチーム最多の8アシストを記録。昨年11月にはA代表に初招集されるなどブレイクしたが、2月の4試合で見せた姿はそれ以上の飛躍を感じさせた。目を見張るのは昨季の課題といえた決定力の違い。チーム練習が休止する前、古橋は「練習でも得点を意識して取り組んでます」と日々のトレーニングで手を抜かない姿勢が実を結んだと強調していた。中断期間のブランクはあるものの、リーグ戦再開時には公式戦5戦連発も期待できる。

 とにかくマジメな性格も魅力だ。ゴールを決めれば「得点できたのは、周りの選手に支えてもらっているから。点は決めてるけど、良くないプレーの方が多いので、そっちを修正しないといけない」。最近はインスタライブやオンラインでのトークイベントに参加しているが、決まって過去の所属先の恩師や仲間、サポーターへ感謝の言葉を口にする。これまでの指導者に当時の話を聞いても、二言目には「本当にまじめ」と口をそろえる。謙虚さを忘れないからこそ周囲に愛され、順調なステップアップを果たしてきた。

 大阪・興国高から中大を経て、17年にJ2岐阜に入団。プロ入りまでは世代別の日本代表には縁がなく、全国的には無名だったことが昨年の活躍を一層際立たせた。しかし、シンデレラストーリーにはまだ続きがあると確信している。(記者コラム・種村 亮)

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