Jリーグが「4度目」の延期を強いられた。3日午前、プロ野球と設置した「第5回新型コロナウイルス対策連絡会議」で専門家チームから、5月末の再開を目指すのが妥当との提言を受けた。午後3時から、クラブの社長らによる臨時の実行委員会をウェブで緊急開催。「J3は4月25日、J2は5月2日、J1は5月9日」の再開を見送り、白紙に戻すことを全クラブで合意した。

迅速に動き、即決した。これまでは無観客試合も選択肢とし、感染状況を見ながら運営方法に地域差をつけるなどして、4月25日のJ3開幕から段階的再開を目指してきた。だが、世の中の動きが悪い方向へと、急激に変化。村井満チェアマンは「今日は専門家の皆さんのトーンが明らかに従来と変わっていた。私の中のマインドもいったんリセットするというタイミングでした」と現実を直視。Jリーグの理念「国民の心身の健全な発達への寄与」からぶれることなく、断を下した。

再開時期は少なくとも1カ月程度は先延ばしにする考えで、6月初旬になる可能性も。J3からの公式戦の段階的再開を目指していたが村井氏は「3段階というのもあるかもしれないし、少しでも先に延ばして一斉開催する選択肢もあるかもしれない。状況を見極めながら判断すること」とし、ルヴァン杯も含めた大会方式については「大会の骨組みを変えずにできる余地がないかを協議、検証する」と説明した。

それもすべて、感染拡大がおさまっていることが大前提で、不透明な状況が続く。「従前から申し上げているとおり、国民の健康のため社会的役割を果たしていく」と村井氏は言い切った。「安全」と「リーグ再開」の両立を追求し続けていくが、先行きは簡単には見通せそうにない。【浜本卓也】