Jリーグにも激震が走った。神戸は30日、元日本代表DF酒井高徳(29)が新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査で陽性反応が出たと発表した。

発熱した25日から2週間前までの行動を調査中だが、現時点で感染経路は不明。日本サッカー協会の田嶋幸三会長が感染したが、Jリーグ選手で感染確認は初。プロ野球でも感染者を出したばかりだが、5月9日の公式戦再開へ暗雲が漂ってきた。

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元日の天皇杯で神戸に初タイトルをもたらせた酒井が、Jリーガーでは初となる新型コロナウイルスに感染していた。25日夜中から38度の高熱を訴え、翌26日から練習を欠席。兵庫県内の病院で急性上気道炎と診断されたが、28日には阪神藤浪投手と同様の、においを感じないなどの症状が出た。同県内の病院でPCR検査を実施し、この日午後5時に陽性判定が出た。

現在は平熱に戻ったが、味覚と嗅覚の異常が改善されていない。単身赴任中のため、酒井の家族には感染の心配はないという。

感染経路に関して現時点で不明。この日、テレビ電話で会見した立花陽三社長(49)は「(発熱した)25日より前の2週間の行動は把握しており、濃厚接触と思われる人をリストアップした。(詳細は)保健所の判断になる」と説明した。

公式戦中断中、チームは神戸市西区の「いぶきの森球技場」で練習してきたが、5月9日まで再度の延期が決まったこともあり、酒井が発熱した2日後の27日から4月6日まで、現在は11連休の最中だった。ドイツ人のフィンク監督が日程を決めたという。今後は練習場の消毒も行う。

元スペイン代表で主将のMFイニエスタらが在籍するが、外国籍選手は日本にとどまっているという。現時点で同僚の選手やスタッフに風邪などを含めた症状を訴える人はいない。

今回の発症前には、酒井も出場して他のJリーグクラブと練習試合を行っていた。三浦淳寛スポーツダイレクター(45)は「クラブ名は控えさせていただきたい」とだけ説明。先方には連絡済みという。接触プレーが当然の競技だけに、その詳細も懸念される。

今後の練習再開は所轄の保健所などと相談の上で決める。Jリーグの選手から初めて感染者が出たことで、公式戦再開に大きな不安材料になることは間違いない。