鹿島アントアラーズと親会社のメルカリ、鹿嶋市は18日、地方創生事業に関する包括連携協定を結び、カシマスタジアムで記者会見を行った。

鹿嶋市の人口約6万7000人のうち、65歳以上の老年人口は約3割。医療面や交通面などで、行政だけではカバーしきれない問題が起こっている。「テクノロジーの観点で、サッカークラブがどう地域の課題を解決していくか」が、協定のテーマとなる。

例えばカシマスタジアムでは、生体認証システム(顔認証、指紋認証など)の実証実験が予定されている。通信が「5G」に突入する時代において、いずれはこうした技術を街レベルで応用し、市民の生活利便性向上に役立てていく。鹿島とメルカリだけでなく、課題解決に適したテクノロジーを持つ事業者を巻き込んでいき、協定を課題解決のプラットホームにしていくつもりだ。

メルカリ会長で鹿島の社長を務める小泉文明氏(39)は、政令指定都市でなく地方都市を舞台とした「スマートシティー構想」であることを強調。「『日本のどこにでもあるような課題を抱えている地域が、テクノロジーとサッカークラブがある強みを生かして、どういう未来を社会に提供できるのか』は、この協定の狙いであり使命。地方創生のモデルとして、日本全国にひとつの答えを出していけるような取り組みをやりたい」とビジョンを語った。

錦織孝一鹿嶋市長は「通信情報技術(IT)で、新しい角度からの街づくりができればありがたい。今回の協定に期待している」と話した。