Jリーグは現在、じつに多くの国から、さまざまな外国籍選手がやってきてプレーするようになった。彼らはなぜ日本でのプレーを選んだのか。日本でのサッカーや、日本での生活をどう感じているのか? この連載では、彼らの本音を聞いていく。
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昨年末、名古屋グランパスと守護神ミチェル・ランゲラックの契約が更新されて、ほっとしているファンも多いだろう。
2018年1月に加入してから、現在31歳のオーストラリア代表GKは名古屋のゴールマウスに君臨し続け、数多のビッグセーブでチームを救ってきた。一昨季、昨季と連続でJ1残留争いに巻き込まれたグランパスは、彼の働きがなければ、今ごろ再昇格の目標を掲げざるを得なかったかもしれない。
このインタビューは昨季J1最終節の前に行なわれたもので、もちろん、その時はランゲラックの未来は何も決まっていなかった。チームは最終節まで、わずかながらも降格プレーオフに回る可能性を残していた。それだけに、彼は何よりもその鹿島アントラーズ戦(0-1で敗北も、ほかの試合結果により13位で残留)に集中していたはずだ。
ただこのインタビューで彼が抱いている日本の印象を聞いていたから、きっとこの先もJリーグにとどまるのではないかと、個人的には思っていた。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200207-00885540-sportiva-socc
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昨年末、名古屋グランパスと守護神ミチェル・ランゲラックの契約が更新されて、ほっとしているファンも多いだろう。
2018年1月に加入してから、現在31歳のオーストラリア代表GKは名古屋のゴールマウスに君臨し続け、数多のビッグセーブでチームを救ってきた。一昨季、昨季と連続でJ1残留争いに巻き込まれたグランパスは、彼の働きがなければ、今ごろ再昇格の目標を掲げざるを得なかったかもしれない。
このインタビューは昨季J1最終節の前に行なわれたもので、もちろん、その時はランゲラックの未来は何も決まっていなかった。チームは最終節まで、わずかながらも降格プレーオフに回る可能性を残していた。それだけに、彼は何よりもその鹿島アントラーズ戦(0-1で敗北も、ほかの試合結果により13位で残留)に集中していたはずだ。
ただこのインタビューで彼が抱いている日本の印象を聞いていたから、きっとこの先もJリーグにとどまるのではないかと、個人的には思っていた。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200207-00885540-sportiva-socc
今シーズンもJリーグでプレーする、名古屋グランパスのランゲラック
「日本は生活全般の質が高く、どこに行っても清潔で安全だ。僕らのような外国人を親切に歓迎してくれる。僕と家族はここの生活を心から楽しんでいる。最高にハッピーだよ」
ランゲラックはいつも快活に、大きな声で正直な言葉を発する。見るからに裏表のないナイスガイは、好きなものは好き、わからないものはわからない、と返してくる。2年前に日本行きを決めた時のことも、次のように打ち明けた。
「率直に言うと、日本への移籍を自分で模索していたわけではないんだ」
笑顔を浮かべながら、彼は続けた。
「ドイツで7年プレーして(ドルトムントで5年、シュツットガルトで2年)、スペインに行って半年が過ぎ、その後も欧州でキャリアを積もうと思っていた。そんな時に名古屋からオファーをもらって、これはいいなと思ったんだ。
名古屋については、ジョシュア・ケネディ(元オーストラリア代表。名古屋で6シーズンプレー)から少し話を聞いていてね。僕と彼は同じエージェントに面倒をみてもらっているんだけど、ふたりとも、名古屋の街やスタジアム、クラブのすべてがすばらしいと言っていた」
また名古屋行きを強く後押しした大切な人がひとりいる──美人と評判の妻リアノンさんだ。ランゲラックがそのオファーの話を相談したところ、彼女は「日本にぜひ行きましょう!」と興奮気味に彼を促したという。
「僕は代表戦やメルボルン・ビクトリーに所属していた頃のACLで、何度か日本に来たことがあった。だから間違いなく、僕ら夫婦にとって、ベストな選択になるとわかっていたんだ。妻にとっては初めてだったけど、彼女は日本に好印象を抱いていて、すごく前向きだった。実際に住んでみると、周りの人たちが言っていたとおりのすばらしい国だとわかったよ」
ただ当初は、「オーストラリアやヨーロッパとは、完全に異なる環境に馴染む必要があった」と言う。
「たとえば、欧州では日本と比べて多くの人が英語を話すから、コミュニケーションに困ることはなかったけど、日本はそこが少し違うよね。それもあって、最初はちょっと臆病だったかもしれない。でも自分の家の周りのことなんかが少しずつわかっていくうちに、何も恐れる必要などないと思えるようになった。今でも僕は日本語の看板や情報を理解できないけど、もうすっかりここが自分のホームタウンだと言えるよ」
ランゲラックが新しい国と環境、クラブに馴染むのに、通訳の「ゴウさん」(村上剛氏)の存在は大きく、困った時は「いつも電話をかけて、助けてもらっている」。好感を持っているのは、日本の街や人々、「本当に言うことがない生活」だけでなく、「ファンタスティックなフットボールと、毎週のように大観衆が詰めかけるスタジアム」にも感謝している。
「ネガティブなところは、本当に浮かんでこないよ」と微笑えみながらランゲラックは続ける。
「強いて言うなら、街にゴミ箱がないから、外でゴミを捨てたいときにちょっとだけ困るかな。些細なことだけど、最初はちょっと不思議に思えたな。でも、日本の街にはゴミ箱もないけど、ゴミそのものがほとんど落ちていないよね! 本当にクールなことだよ。それに赤ん坊がいる僕らにとって、望む生活を安全に送ることができる日本は最高の場所だ。
うちの息子のサンティアゴは、名古屋で生まれたんだ! いずれ、サムライブルーの一員になれたらいいよね」
これほどまでにポジティブな言葉を発していたのだ。今後もランゲラックは日本にとどまり、アスレティックなビッグセーブでJリーグを沸かせてくれることだろう。
ランゲラックはいつも快活に、大きな声で正直な言葉を発する。見るからに裏表のないナイスガイは、好きなものは好き、わからないものはわからない、と返してくる。2年前に日本行きを決めた時のことも、次のように打ち明けた。
「率直に言うと、日本への移籍を自分で模索していたわけではないんだ」
笑顔を浮かべながら、彼は続けた。
「ドイツで7年プレーして(ドルトムントで5年、シュツットガルトで2年)、スペインに行って半年が過ぎ、その後も欧州でキャリアを積もうと思っていた。そんな時に名古屋からオファーをもらって、これはいいなと思ったんだ。
名古屋については、ジョシュア・ケネディ(元オーストラリア代表。名古屋で6シーズンプレー)から少し話を聞いていてね。僕と彼は同じエージェントに面倒をみてもらっているんだけど、ふたりとも、名古屋の街やスタジアム、クラブのすべてがすばらしいと言っていた」
また名古屋行きを強く後押しした大切な人がひとりいる──美人と評判の妻リアノンさんだ。ランゲラックがそのオファーの話を相談したところ、彼女は「日本にぜひ行きましょう!」と興奮気味に彼を促したという。
「僕は代表戦やメルボルン・ビクトリーに所属していた頃のACLで、何度か日本に来たことがあった。だから間違いなく、僕ら夫婦にとって、ベストな選択になるとわかっていたんだ。妻にとっては初めてだったけど、彼女は日本に好印象を抱いていて、すごく前向きだった。実際に住んでみると、周りの人たちが言っていたとおりのすばらしい国だとわかったよ」
ただ当初は、「オーストラリアやヨーロッパとは、完全に異なる環境に馴染む必要があった」と言う。
「たとえば、欧州では日本と比べて多くの人が英語を話すから、コミュニケーションに困ることはなかったけど、日本はそこが少し違うよね。それもあって、最初はちょっと臆病だったかもしれない。でも自分の家の周りのことなんかが少しずつわかっていくうちに、何も恐れる必要などないと思えるようになった。今でも僕は日本語の看板や情報を理解できないけど、もうすっかりここが自分のホームタウンだと言えるよ」
ランゲラックが新しい国と環境、クラブに馴染むのに、通訳の「ゴウさん」(村上剛氏)の存在は大きく、困った時は「いつも電話をかけて、助けてもらっている」。好感を持っているのは、日本の街や人々、「本当に言うことがない生活」だけでなく、「ファンタスティックなフットボールと、毎週のように大観衆が詰めかけるスタジアム」にも感謝している。
「ネガティブなところは、本当に浮かんでこないよ」と微笑えみながらランゲラックは続ける。
「強いて言うなら、街にゴミ箱がないから、外でゴミを捨てたいときにちょっとだけ困るかな。些細なことだけど、最初はちょっと不思議に思えたな。でも、日本の街にはゴミ箱もないけど、ゴミそのものがほとんど落ちていないよね! 本当にクールなことだよ。それに赤ん坊がいる僕らにとって、望む生活を安全に送ることができる日本は最高の場所だ。
うちの息子のサンティアゴは、名古屋で生まれたんだ! いずれ、サムライブルーの一員になれたらいいよね」
これほどまでにポジティブな言葉を発していたのだ。今後もランゲラックは日本にとどまり、アスレティックなビッグセーブでJリーグを沸かせてくれることだろう。