プレミアリーグ リバプール

リバプールがFAカップにもリソースを割き、本気で優勝を目指すべき4つの理由

写真提供: Gettyimages

FAカップ4回戦、シュールズベリー・タウン戦を2-2の引き分けで終えたリバプール。同クラブがかなりメンバーを落としていたとはいえ、2部で戦うクラブが昨シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)王者に善戦したことは大きな話題となった。

5回戦進出に、少しばかりの暗雲が立ち込めてきたリバプール。しかしながら、ユルゲン・クロップ監督は再試合となったシュールズベリーとの対戦時には、ユースチームを起用し自身も試合の指揮を執らないと発言した。

プレミアリーグから、ウィンターリーグ中に選手を休ませるようにと指導されたと話すクロップ監督。しかし、ユースチームがプロを相手にどれだけの戦いぶりを見せられるかは未知数だ。4回戦で敗退するという可能性も大いにあり得る。

しかし、充実のシーズンを過ごすリバプールが、FAカップのタイトルレースから早々に脱落するのはいささかもったいなく感じる人もいるだろう。そこで今回は、リバプールがFAカップにもリソースを割き、真剣に優勝を目指すべき4つの理由をご紹介する。


リバプール 写真提供: Gettyimages

余裕のあるリーグ戦

この1年間のリバプールは、間違いなく世界で最も充実しており、最高のクラブと言っていいだろう。CLを制した彼らは、プレミアリーグで2位のマンチェスター・シティに勝ち点16ポイント差をつけている(加えてリバプールは1試合未消化)。

CL出場圏内の4位リバプールとの勝ち点差は27にもなるリバプール。誰もが彼らのプレミアリーグ初優勝を疑っていないし、実現する可能性も極めて高いだろう。その状況下で、1つのタイトルに執着する理由があるだろうか。

CLとの兼ね合いにより、厳しい日程を戦っていることは理解できる。ただ、現在の勝ち点であればリーグ戦で主力選手を休ませることも可能なはずだ。


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新たな歴史の1ページに

プレミアリーグ移行後のリーグ優勝経験を持たないリバプール。FAカップも同時に制すれば、クラブ史上初の国内2冠達成だ。そんな新たな歴史のページをめくるチャンスを逃す手があるだろうか。

もちろん、ユースチームやリザーブチームでもシュールーズベリーを上回ることができるかもしれない。しかし、多くの主力選手を欠いて戦うことにより、勝利の可能性が低くなるのは間違いない。

今シーズンのリバプールは、欧州3冠を達成する可能性を大いに感じさせるクラブであり、それを期待するサポーターも多いだろう。


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FAカップの価値

ウィンターブレーク(冬期休暇)期間に再試合の日程を設けたプレミアリーグは批判されてしかるべきだろう。12月から年末にかけてのプレミアリーグは他のリーグに比べてかなりの過密日程であり、選手たちを回復させるためにも休養は欠かせない。

ただ、FAカップという価値ある大会を軽視すべきではないのも事実だ。それだけでなく、下部リーグにとってのFAカップはビッグクラブのスター選手たちと対戦できる数少ない機会であり、クラブの貴重な収入源の1つでもある。

19世紀に創設され、伝統と歴史を持つFAカップ。日程やあり方に関しては多くの議論が巻き起こるべきだろう。しかし、同大会が持つ意味や価値を守るためにも、ユースチームで戦うということは避けるべきだろう。


 

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視聴者、観戦者のためにも

サッカーというのはエンターテインメントであり、映画やショーなどと根本的には同じ性質を持つものだ。だからこそ選手の人気は非常に重要であり、サッカー選手だけでなく多くのプロスポーツ選手が模範的な行動を求められている。ピッチに立つ22人が嫌われ者の競技など誰も観たがらないだろう。

エンターテインメントであるということは、お金を払って楽しみに待っているサポーターの期待を裏切るようなことがあってはいけない。リバプールのサポーターだけでなく、シュールズベリーのサポーターも応援するクラブが世界最高峰の相手と対戦する機会を心待ちにしているはずだ。

もちろん、選手のコンディションは考慮されてしかるべきポイントだ。しかし、最大限の注意を払って、1人でも多く主力選手をピッチに立たせることがサポーターを喜ばせることになるのも間違いない。お金を払ってトップチームよりもユースチームの試合を見たい観客は、間違いなく少数派のはずだ。


 

名前:菊池大将
趣味:サッカー観戦、映画鑑賞、読書
好きなチーム:ACミラン
幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

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