バルセロナが今夏の獲得を目指しているとスペイン紙に報じられた、セレッソ大阪MF西川潤(17=桐光学園)が17日、大阪市内の練習後に取材に応じた。正式オファーは届いていないが、現実となった場合は「その時の判断、その時の気持ちで決めたい」と、近い将来の夢だった海外移籍へ純粋な思いを口にした。

情報を知ったのは前日16日だった。「自分で(スマホを)見たりして『ああ、出てるな』と。友人からも言われたりしたが、特に何も思わなかった」。あくまで仮定の話を西川は冷静に受け止めた。

12日にC大阪の入団会見を終えたばかり。この日は始動6日目で、20日からは宮崎合宿も始まる。2月に控えるルヴァン杯とJ1開幕戦へ「今はC大阪でレギュラーを取ること。どこの試合でも、しっかり出て活躍することを考えている」と説明した。

C大阪の説明によると、西川が高3だった昨年も、U-20W杯やU-17W杯での活躍でバルセロナから2度のオファーを受け、本人の意思を踏まえて断ったという。だが先方の強い獲得意欲を考えれば、国際移籍が可能となる、西川が18歳になる2月21日に三たび、オファーが届くことは考えられる。安易な流出阻止のため、C大阪は西川と長期3年契約を結び、移籍の場合は違約金の額面をC大阪が決められる内容になっている。

左利きの天才アタッカーは、現在の課題を「フィジカルやコンタクト面。一瞬のスピードをつけて(相手を)抜ききれるようにしたい」と話す。移籍する最速のタイミングは欧州の窓口が開く今夏。開幕からJリーグで結果を残した場合、西川が次のステージを選択する可能性はある。【横田和幸】

◆西川潤(にしかわ・じゅん)2002年(平14)2月21日、神奈川県生まれ。横浜ジュニアユースから桐光学園を経て20年C大阪入り。18年U-16アジア選手権決勝タジキスタン戦で決勝点を挙げて日本の優勝に貢献。19年は特別指定選手としてC大阪で公式戦デビュー。U-20W杯には飛び級で選出、U-17W杯では4試合2得点2アシストと活躍。180センチ、70キロ。