なでしこジャパン(日本女子代表)の新潟レディース、GK平尾知佳(23)が東京オリンピック(五輪)代表を狙う。19年は女子ワールドカップ(W杯=フランス)、東アジアE-1選手権(韓国)で日本女子代表入りした。東京五輪ではGKがこれまでの3人から2人に削られるだけに厳しいサバイバルレースを演じていく覚悟だった。

GK平尾は20年、スタートダッシュをかける。東京五輪代表入りへ、ノンビリと年末年始を過ごさなかった。新年は東京都内でウエートトレーニングを中心に体をいじめた。19年は、なでしこジャパンとして女子W杯と東アジアE-1選手権でベンチ入り。出場機会はなかっただけに代表生き残りへ懸命だ。代表の初合宿は2月14日から6日間、福島・Jヴィレッジで始まる。「合宿で『平尾がいなければダメ』と思われるようなプレーをしてメンバー入りしたい」。

U-17W杯(12年=アゼルバイジャン)、U-20W杯(16年=パプアニューギニア)では主力としてゴールを守った。昨年6月の女子W杯はベンチからの観戦だったが、外国代表のプレーが強烈に心に残った。「シュートの質と威力が全然、違う。クロスにもすさまじいパワーでゴール前に突っ込んでくる」。女子サッカー世界一を決める大会規模にも驚いたが、世界基準のプレーに目を見張った。「東京五輪に向けて、イメージトレーニングした。自分も戦っているつもりで試合を見ていた」と頭だけは働かせていた。

世界の舞台で平尾は強烈な体験をしている。12年の女子U-17W杯準々決勝、ガーナ戦だ。後半に打たれたシュートをトンネル。0-1で敗れ、8強止まりに終わった。「ワンプレー、ワンプレーの丁寧さ、ということを教訓にしている。忘れられない」。

持ち味はクロスボールへの反応の速さ。行けると見ればボールの落下地点に大胆に跳びつく。激しいプレーの中にも女子U-17W杯の反省を生かして丁寧さを加える。「東京五輪で世界一を取る。そのピッチに立っていたい」。20年は平尾にとって挑戦の年になる。【涌井幹雄】

◆平尾知佳(ひらお・ちか)1996年(平8)12月31日生まれ、千葉県出身。ポジションはGK。JFAアカデミー福島から浦和を経て、18年シーズンから新潟Lに。サッカーは5歳から六実SC(千葉・松戸)で始め、GKになったのは中学1年から。U-17女子W杯、U-20女子W杯出場。女子W杯代表。173センチ、65キロ。血液型A。

【なでしこジャパン日程】

◆2月 ▽トレーニングキャンプ(Jヴィレッジ)・14~19日

◆3月 ▽SheBelieves杯(米国)・2~13日

◆4月 ▽国際親善試合(仙台)・11日か12日

◆5月 ▽トレーニングキャンプ(Jヴィレッジ)・8~12日

◆6月 ▽国際親善試合(栃木)・6日か7日 ▽トレーニングキャンプ(千葉)・25日~7月3日

◆7月 ▽トレーニングキャンプ(和歌山)・6~14日 ▽国際親善試合(京都)・16日

◆東京五輪 ▽女子サッカー競技・7月22日~8月7日 ▽開会式・7月24日 ▽閉会式・8月9日