【U23】森保監督、進退浮上もブレない変えない…逆風吹き飛ばす勝利もぎとる

スポーツ報知
カタール戦の予想スタメン

 【バンコク(タイ)14日=星野浩司】東京五輪最終予選を兼ねたU―23アジア選手権に出場中のU―23日本代表は、15日の1次リーグ(L)第3戦・カタール戦に向け、非公開で最終調整した。2連敗で出場4回目で初の1次L敗退が決まり、進退問題が取り沙汰されている森保一監督(51)にとって、真価を問われる戦いとなる。消化試合だが、A代表が昨年のアジア杯決勝で敗れた相手に雪辱を果たし、自らに対する逆風を吹き飛ばす勝利をもぎとる。

 まるで雑音を振り払うかのようだった。カタール戦を翌日に控え、練習前に取材に応じた森保監督は、「第1、2戦の悔しさを選手たちがピッチ内で表現して、勝利を目指してやっていきたい」。大きく目を見開いて言い切った。

 五輪イヤー初陣の今大会で優勝を掲げながら、2連敗で1次Lで敗退した。アジアの舞台で黒星ばかりが続くが、日本サッカー協会の田嶋幸三会長(62)は「我々がサポートしていくことが前提」と語り、関塚隆技術委員長(59)は「全体の方向性はしっかりとできている。間違った戦い方をしているとは思っていない」とするなど、森保監督の続投を基本線としている。

 だが、結果が伴わない、その手腕を問う声は日に日に増している。選手自身の修正力や自主性を高めるためにあえて多く指示しないスタイル、選手の長所を生かしきれていない戦術。指導力への疑問符が多くなれば、進退問題はさらに加速しかねない。

 逆風を蹴散らすには勝利しかない。「これで最後になるが、最善の準備をして選手が持っているパフォーマンスを発揮してほしい」と森保監督。菅、遠藤ら2試合出番がなかった選手の起用を問われても、「全員が全員そうなるとは限らない。毎回、勝利を目指して戦う編成に変わりはない」と、スタンスは変えない。

 負ければ五輪出場権を失うカタールとのガチンコ勝負。ただの消化試合にするつもりはない。昨年2月、A代表がアジア杯(UAE)決勝で1―3で敗れ、優勝を譲った宿敵へのリベンジがかかる一戦。「選手たちには奮い立ってもらえるように働きかけたい」と、語気を強めた。

 「今大会は終わるが、東京五輪に向けての活動は終わりではない」と、半年後の本大会をブレずに見据える。アジアでの3連敗を阻止し、金メダルを掲げる五輪へつなげられるか。無駄にできない最終戦となる。

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