西野朗氏が、森保ジャパンにサウジの弱点を伝授 サイド攻撃が有効「うちでも破れた」

スポーツ報知
会見に出席したU―23タイ代表の西野監督

 【バンコク(タイ)7日=星野浩司】東京五輪予選を兼ねたU―23アジア選手権は8日に開幕。タイのA代表とU―23代表を兼務する西野朗監督(64)が会見し、森保一監督(51)率いるU―23日本代表が初戦(9日)で戦うサウジアラビア代表の弱点を伝授した。18年ロシアW杯で日本を16強に導いた名将は、3日の練習試合で対戦した際に有効だったサウジの両サイドバック(SB)の裏のスペースを突く攻略法を提案。森保ジャパンに対し「十分に勝てる」と太鼓判を押した。

 タイの強烈な日差しですっかり日焼けした西野監督は、母国・日本の初戦の相手を丸裸にした。

 3日にサウジアラビアと練習試合で対戦。相手は年末のオフから始動したばかりで、西野監督は「手の内を見せない感じ。森保監督には『参考にならないゲームで悪かったね』と連絡を入れたよ」と苦笑い。「センターフォワードの大柄な選手に点を取られた」と0―1で惜敗したが、しっかり弱点を見つけていた。

 相手は4―3―3の布陣で「個人的な技術がしっかりしてるけど、チーム力は高くないし、スピーディーではない」と指摘。特に両SBが前線へ果敢に攻め上がる裏を突き、タイ代表は何度も好機を連発した。日本の攻略法として「両サイドのウィングバックが高い位置で良い形でボールを受けられれば、サイド攻撃は有効。うちでも破れたからね」と提案した。

 昨夏のロシアW杯では西野監督、森保コーチの体制で日本は16強入り。大会後に指揮官のバトンを引き継いだ間柄だ。森保監督の真面目な性格を知る西野監督は「あいつは用意周到だから『相手はこんなもんじゃない』と思うだろうけど、日本は十分勝てる」と断言した。

 昨年7月にタイのA代表と兼任でU―23代表を指揮する西野監督はこの日、大会公式会見に出席。8日に対戦するバーレーンのほか同じA組のオーストラリア、イラクの各監督と並び「ベストを尽くしたい。選手は経験不足で未知な部分はあるが、楽しみ」と期待を寄せた。

 勝ち進めば準々決勝で日本と対戦する可能性があるが、「日本と対戦する目標ではなく、東京五輪に出場するんだという目標のもとで準備をしてる」。上位3か国が獲得できる五輪切符へ、静かに闘志を燃やした。

 ◆タイA代表はW杯予選G組3位

 西野監督は昨年7月にタイのA代表とU―23代表の兼任で監督に就任。9~11月まではA代表で22年カタールW杯アジア2次予選に臨み、G組で5試合を終えて2勝2分け1敗で5チーム中、3位につけている。同11~12月にはU―23代表監督として初陣となった東南アジア競技大会(SEAゲームズ・フィリピン)で指揮したが、予選リーグで敗退した。

 ◆U―23日本代表、サウジ戦へ非公開練習

 U―23日本代表は7日、バンコク近郊で練習を行った。2日の当地入り後、初めて冒頭15分間を除く非公開で練習。サウジアラビア戦を2日後に控え本番モードに突入した。開催国として五輪出場権は獲得しているが、DF橋岡は「今大会の目標は優勝」と気合。相手の映像をチェック済みで「4バックの両サイドが上がってきたところがガラ空きになるので、そこを狙っていきたい」と明かした。

サッカー

×