南野拓実「結果を残したかった」リバプール先発デビューにファンが監督がうなった

スポーツ報知
リバプールのベスト布陣とエバートン戦のスタメン

◆FA杯3回戦 リバプール1―0エバートン(5日、アンフィールド)

 【リバプール(英国)5日=森昌利】イングランド・プレミアリーグの強豪リバプールに加入した日本代表MF南野拓実(24)が、FA杯3回戦のエバートン戦で初出場を果たした。3トップの中央で先発すると、前線から激しいプレッシャーをかけ続け、求められた役割をこなした。ユルゲン・クロップ監督(52)も「我々が本当に欲しいと思った選手」と絶賛。チームも1―0で勝利し、上々のデビューを飾った。

 本拠アンフィールドのファンが起こしたスタンディングオベーションが、歓迎の証しだった。クラブ初のアジア人選手となった南野は、後半25分に交代するまで前線で攻守にわたって躍動。「最高ですね。試合が始まる前に『ああ、リバプールの選手の一員になったんだな』と。サッカー選手としてこれ以上ないスタジアムだと思いますし、ダービーでファンも熱かった。勝てて良かったと思います」と興奮気味に話した。

 主力を温存した控え組ではあったが、3トップの中央で先発。「今までやった試合の中で一番激しかった」と振り返ったように、イングランド代表GKピックフォード(25)ら主力をそろえたエバートンに、前線からプレスをかけ続けた。攻撃でも中盤に下りてボールを引き出すなど、レギュラーを務めるブラジル代表FWフィルミノ(28)と遜色ないプレーを披露。前半34分には左サイドからのクロスを頭で合わせきれずに好機を逃したが、ゴールの匂いを漂わせた。

 昨年10月2日にオーストリア1部ザルツブルクの一員として臨んだ欧州CL1次リーグのリバプール戦、同じアンフィールドで1得点1アシスト。この活躍を契機に、小さい頃から夢見ていたプレミアのビッグクラブへの移籍をつかんだ。12月31日に合流したばかりだったが、先発で送り出したクロップ監督は「スーパー、アウトスタンディング(超素晴らしかった)。我々が本当に欲しい、うちにいてくれたらと願った選手だった」と手放しでたたえた。

 世界最古のカップ戦といわれるFA杯でデビューを果たしたが、中5日でトットナム、その翌週にはマンチェスターUと強豪とのリーグ戦が待つ。「メンバーに食い込むために、目に見える結果を出したい」。クラブW杯を制し、リーグでも首位を独走している世界NO1チームでの挑戦が始まった。

 ■南野に聞く

 ―いきなりの先発。

 「合流して時間もなかったので、監督はいつも通りのプレーをすればいいと言ってくれた。やっと試合ができるなとワクワクした」

 ―エバートンとのダービーで感じたこと。

 「激しかったですけど、それがプレミアリーグ。その中でも、普通にプレーができたかなと思っている」

 ―ザルツブルクと似たようなスタイルのチーム。

 「アグレッシブにプレッシングに行くとか、攻撃の時にトップ下のスペースをうまく使っていく点は似ている。でも、システムが違うので、自分の中で違うところを理解して、チームのやり方にフィットしていきたい」

 ―世界のトップクラブで戦うことについて。

 「チームの一員になれたことはうれしく思うけど、もうその時期は過ぎた。今日もゴールかアシストという結果を残したかった。チームに何を求められているか理解して、自分の良さを出したい」

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