【二宮寿朗の週刊文蹴】サッカー日本代表も流行語大賞狙え

スポーツ報知
ラグビー日本代表

 2019年は日本ラグビーの年だったと改めて実感できる。「ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞にラグビー日本代表のチームスローガン「ONE TEAM」が選ばれた。3日付の本紙記事には「若手、ベテラン、多国籍の選手が、ひとつになる意味が込められた」とある。スポーツに限らず、いろんな企業や組織、団体が団結を呼びかける言葉に使っている。世間一般への影響度はかなり大きかった。

 だが「みんなひとつになる」はラグビードラマの名作「スクール☆ウォーズ」でよく出てきた「ONE FOR ALL ALL FOR ONE(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」とほぼ同じ。「ALL」を「TEAM」に置き換えてみてもいい。「ONE TEAM」はラグビー界では知られている言葉だとしても、世間的には新鮮に映った表現。それもあって爆発的に広がっていったように思う。新語の持つパワーを実感できた。

 一致団結できれば強い組織になるというのは、常識と言えば常識。サッカー日本代表でも、10年南アフリカW杯を目指した岡田ジャパンの理念に「OUR TEAM」があった。岡田武史監督はチームへの帰属意識を高め、選手個々の主体性を呼び込むことを狙いとしていた。彼らはまさに「OUR  TEAM」となって低評価を覆し、本大会で決勝トーナメントに進んだ。

 さて、森保ジャパンである。テーマとして掲げていることをスローガン化してアピールしてはどうか。森保監督は東京五輪代表の指揮官を兼任しており、世代間の融合をよく口にする。世代の「ジェネレーション」と融合の「フュージョン」をくっつけて「ジェネフュージョン」みたいに造語にしたっていい。来年は東京五輪、22年にはカタールW杯がある。年間大賞に選ばれるようなスローガンをぜひ考えてみては!?(スポーツライター)

サッカー

×