Jリーグの年間表彰式「Jリーグ・アウォーズ」が8日、東京都内のホテルで行われ、最優秀選手賞には横浜の15年ぶりリーグ制覇の原動力となった日本代表FW仲川輝人(27)が初めて選ばれた。17年の川崎F・FW小林悠以来となる、得点王とのダブル受賞。ベストイレブンにも選出された。東アジアE-1選手権(10日開幕)に臨む日本代表に初選出され韓国入りし、代表活動による史上初の式典欠席。吉報を励みに、代表でも令和元年のJの顔にふさわしい結果を出す。

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韓国・釜山の仲川のもとに、これ以上ない吉報が届いた。日本と中継でつないだホテルの一室。最優秀選手賞に名前が呼ばれると、一礼。モニターに会場で喜ぶ横浜サポーターの姿が映ると、ようやく笑みがこぼれた。「自分がとっちゃっていいのかなという感じです。マリノスをもっと強くしていこうという気持ちにもなった」。初めて袖を通した日本代表のポロシャツ姿で決意を口にした。

MVPのほか得点王(15得点)、ベストイレブンにも入った。優勝を決めた7日の試合後は多くの取材をこなし、スタジアムを出たのは「午後11時前ぐらい」。わずかな睡眠で、8日午前6時過ぎには東アジアE-1選手権に臨む日本代表合流のため成田空港へ。史上初の代表活動でのアウォーズ欠席となった。早速、釜山で午後の練習をこなすと、すぐ中継会場のホテルへ移動。「大変ですけど、すごくうれしいことだと思います」。代表選手しか感じられないタイトなスケジュールもかみしめた。

誰もが認める躍進を果たしたが慢心はない。年によって試合数は違うが、15得点での得点王は史上最少。「少ないんじゃないですかね。固め取りができていないのも自分の実力」と1試合2得点以上が今季1度もなかったことも含めて反省している。

初招集の森保ジャパンで託された背番号は10。「結果を出さないと認められないと思っている。ここからが本当の勝負」。令和のJ1初ゴールを決めた勝負強さ。その新元号を締めくくる“仲川劇場”は、まだまだ終わらず、韓国でも続く。【松尾幸之介】