J2で4位の徳島ヴォルティスが6年ぶりのJ1復帰に王手をかけた。GK梶川裕嗣(28)のビッグセーブを皮切りに、後半にはFW河田篤秀(27)の芸術ループ弾が飛び出し、ホームで1-0と同6位モンテディオ山形に勝利。

J1最後の1枠を懸けたプレーオフ決定戦は、14日に徳島がJ1の16位湘南ベルマーレのホームに乗り込んで行われる。徳島はサブを含めた18人中5人が湘南に在籍経験があり、因縁の大一番になる。

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徳島に流れを呼び込むプレーが前半1分に飛び出した。自陣左で強襲されて球を失い、速攻のクロスから山形FW井出に右足で強烈シュートを許す。失点覚悟の危機にGK梶川が一世一代の神業セーブ。守護神は「偶然です。自分のセーブで流れを左右できたとすればうれしい」と謙虚だが、DF石井は「あれが一番、大きかった」と喜んだ。

プレーオフ決定戦に回るJ1クラブは、前日に湘南に決定。梶川は「古巣なので勝手に気合が入る。そんな選手が徳島にはいっぱいいる」。梶川を含め、MF岩尾、サブのDF福岡、MF藤田と表原の計5人は過去に湘南に在籍した。岩尾は「個人的な思いはあるが、自分の欲よりも勝利に貢献したい」と打倒湘南を誓う。14年以来のJ1復帰へ、スペイン人のロドリゲス監督は「我々のサッカーで歴史的な試合にしたい」と締めくくった。