【金沢】“ミスター・ツエーゲン”清原が惜別弾…サポーターに感謝「いつも力強い後押し」

スポーツ報知
後半26分に同点ゴールを決めた金沢・清原(中)(カメラ・三須 慶太)

◆明治安田生命J2リーグ最終節 金沢1―1大宮(25日・レベスタ)

 ツエーゲン金沢はホームで大宮に1―1で引き分けた。今季最終戦を勝利で飾ることはできなかったが、後半から途中出場のMF清原翔平(32)が同点ゴール。契約満了により退団する“ミスター・ツエーゲン”が、サポーターへの惜別弾で沸かせた。J2では昇格元年だった2015年の12位を超え、クラブ最高となる11位フィニッシュ。勝ち点61も過去最高となった。来季は1ケタ順位とその先にあるJ1昇格へさらなる飛躍を目指す。

 今季最後の試合を終えた背番号7に、スタンドからは割れんばかりの「清原コール」が響いた。大歓声を浴びた清原は「サポーターの方々はいつも力強い後押しをしてくれる。本当にありがたかった」と頭を下げた。

 先制こそ許したが、後半23分から出場した清原が試合の流れを変えた。ピッチに立ったわずか3分後だ。中央を突破したFW山根永遠(20)が、ゴール前の右に走り込んだ清原へパス。ダイレクトで左足を振り抜くと、鮮やかな弧を描いたボールが左サイドネットに突き刺さった。4月3日の鹿児島戦(3〇0)以来、約7か月半ぶりの今季2点目。試合後「契約満了発表後だったので、皆さんに期待して頂いていると思って、頑張って応えられるようにという気持ちだった」と言葉をつないだ。

 清原はJFL時代の13年に金沢へ加入し、14年には主将としてJ3初代王者&J2昇格に貢献。16年からはC大阪へ移籍するも、徳島を経て昨季金沢に復帰した。だが、今季中盤からはベンチやメンバー外となる機会が増え、今季限りで退団することになった。それでもチームへの愛情は変わらない。「プロ、Jリーガーになった場所。一番思い入れのあるチーム」と、これまでの応援に感謝した。

 柳下正明監督(59)が就任して3年目。チームはJ2所属時では最多の15勝を挙げ、積み上げた勝ち点も最大の61。順位は最高の11位といずれも更新した。指揮官は「選手、チームとして成長できた1年だったと思う」と評価。清原も「規模はJ2の中で下の方のチームだが、やることさえやれば上を目指せる」と可能性を示した。契約が満了も現役続行希望

 清原は現役続行の意向。「チームを離れるが、そういうもの(可能性)に注目して見ていきたい。ファミリーの一員として自分をこれからも応援してくれたらうれしい」と願った。“ミスター・ツエーゲン”の残した思いに応えるためにも、クラブは成長を続ける。(三須 慶太)

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