【宏太チェック】札幌、難しいことを選択しすぎた
スポーツ報知
◆明治安田生命J1リーグ第32節 札幌1―2磐田(23日・札幌ドーム)
これまでは守ってくる相手もこじ開けてきた札幌だったが、磐田戦では得点はセットプレーからの1点のみと、最後までゴールが奪えなかった。それを象徴していたのが前半44分のシーンだった。
進藤からの長いスルーパスに武蔵が走り込んで左に外した場面だったが、武蔵はGKの頭上を超すシュートをイメージしていたと思う。ただFW的には前に出てきたGKとの接触が気になるから、どうしても触るのが早くなってしまい、ゴールの位置も確認し切れない体勢からの難しいシュートになる。パスも動き出しも素晴らしかったが、その上にゴールまでスーパーでなければいけない、3つの要素が揃ってこそ決まるという、極めて難易度の高いものになってしまった。
この日の札幌は終始、難しいことを選択しすぎていた。通れば1点というチャレンジをしていくこと自体は決して悪くないが、簡単なところも狙っていかないと、どうしても点が入るのに時間がかかってしまう。序盤は相手がなかなかボールを奪えない状況だったのだから、得点を取り急ぎせず、回す時間を続けていても良かった。絶対に負けられないという相手の神経を削っていくような戦いをすることが、勝利のために必要だった。(吉原宏太、1996~99年札幌FW)