【マドリード=高橋智行通信員】首位レアル・マドリードがホームに2位のバルセロナを迎えた「エル・クラシコ」で、MFベリンガムの決勝点によって3-2の劇的な勝利を飾った。

Rマドリードがバルセロナと公式戦で対戦するのは今回が257回目。過去の対戦成績は104勝52分100敗とやや勝ち越している。

勝ち点78で首位のRマドリードは、4日前に死闘を制したマンチェスター・シティー戦から3人変更。新たにルーカス・バスケス、チュアメニ、モドリッチがスタメン入りし、ベリンガムが偽の9番としてプレーする4-3-3で臨んだ。

対するバルセロナは勝ち点8差の2位。まさかの逆転負けを喫した5日前のパリ・サンジェルマン戦から1カ所のみ変更。クリステンセンが新たに先発出場し、4-3-3で戦った。

試合は満員のスタンドがRマドリードカラーのホワイトに彩られた後でスタートした。前半立ち上がり、ボールをキープしたのはベリンガムやビニシウスを中心に攻撃を仕掛けたRマドリードだが、幸先の良いスタートを切ったのはバルセロナだった。2連覇へのわずか望みを残すために絶対に勝利が必要な状況の中、前半6分にラフィーニャの蹴ったCKがGKルニンの手の上を抜け、クリステンセンが頭で合わせ先制点を記録する。

しかしRマドリードは17分、右サイドの深い位置をドリブル突破したルーカス・バスケスがペナルティーエリア内でクバルシに倒され、PKを獲得。これをビニシウスが冷静に決めて同点にした。

それ以降、一進一退の攻防が続く中、バルセロナは28分、ラフィーニャのCKをニアポストにいたヤマルが左足アウトサイドで合わせるも、ルニンにゴールライン上でセーブされた。ゴールラインを割ったかどうか微妙な状況だったが、VAR判定でノーゴールとなった。

またバルセロナは前半アディショナルタイムの52分、デ・ヨングがバルベルデのシュートを防ぎにいった際に足を痛め、ペドリとの交代を余儀なくされた。

前半は両者譲らず、Rマドリードはややボール支配率が高かったものの、チャンスの数はほぼ同じだった。

後半も前半と同じような形でスタートし、立ち上がりでヤマルやベリンガムがミドルシュートを狙っていった。

その後、両チームともにシュートの精度を欠き、足踏み状態が続いたため、勝利が必須のバルセロナは18分に前線のテコ入れを図る。レバンドフスキとラフィーニャを下げてフェラン・トーレスとジョアン・フェリックスを投入して攻撃陣をリフレッシュし、流れを変えにいった。

これが功を奏し後半24分、ヤマルのシュートがGKに弾かれたボールをフェルミンが押し込み、バルセロナは再びリードを奪った。

しかしRマドリードはこの失点に気落ちすることなくプレーし、28分にビニシウスが左足で入れた正確なクロスを、ルーカス・バスケスがファーポストでダイレクトで合わせ、再び同点にした。

さらに33分、Rマドリードに追加点のチャンスが訪れる。ビニシウスがカウンターを仕掛けてペナルティーエリア内に侵入してゴールに迫るも、やや角度なくシュートはGKに防がれた。

そのまま引き分けに終わると思われた後半アディショナルタイムの46分、ルーカス・バスケスが右サイドから入れたグラウンダーのクロスをホセルがゴール前でスルーし、ベリンガムがファーポストで豪快に合わせ、決勝点を記録した。

2度リードを奪われながらも最後の最後に逆転するという“RマドリードのDNA”とも言うべき形で、3-2の逆転勝利を成し遂げた。これにより公式戦のクラシコの対戦成績を257試合105勝52分100敗とした。

今回の勝利でRマドリードはバルセロナに勝ち点11差をつけ、2季ぶりのリーグ優勝に大きく前進した。