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「冨安健洋はキム・ミンジェより格下」と韓国論調も根拠は?欧州では高評価

冨安健洋 写真:Getty Images

 アーセナル所属の日本代表DF冨安健洋は、今月17日開催のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグのバイエルン・ミュンヘン戦でスタメン出場。ドイツ代表FWレロイ・サネとのマッチアップを制して、欧州メディアから高い評価を受けているが、韓国ではバイエルン所属DFキム・ミンジェとの比較が盛んに。バイエルンがアーセナルを退けただけに、冨安格下扱いの論調が強まっている。

 冨安は左サイドバックで先発出場すると、86分までプレー。同サイドで対峙したサネに攻撃面でほとんど仕事させず、昨年9月の国際親善試合ドイツ戦を思い起こすかのようなパフォーマンスでファンを湧かせた。また、英紙『スタンダード』をはじめ複数の欧州メディアは、冨安に対して10点満点中「6.5」や「7」と及第点以上の評価を与えるとともに、「サネを沈黙させた」「左サイドバックで本来のプレーができた」などと綴っている。

 冨安が守備で奮闘していたとはいえ、アーセナルは2ndレグでも0-1と敗北。2試合合計2-3とベスト8で大会を後にした。くわえて、キム・ミンジェが2ndレグで途中出場しただけに、韓国メディア『FMコリア』のネット掲示板では「キム・ミンジェの方が凄い」「冨安はキム・ミンジェよりも格下」「キム・ミンジェがアジアナンバーワンのディフェンダー」などと投稿されている。

 さらに韓国メディア『OSEN』は18日に「キム・ミンジェがプロキャリア初となるCLベスト4入り。冨安とのミニ“日韓戦”を制した」という見出しのもと、バイエルン対アーセナルを回顧。

 「キム・ミンジェは後半31分からプレーし、スタメン出場の冨安は後半41分に途中交代。およそ10分間にわたり、両選手が対峙していた」とした上で、「勝ったのはキム・ミンジェだ。バイエルンがベスト4行きの切符を掴んだからだ」と試合結果をもとに両選手に白黒をつけている。

 また、冨安については「アーセナルのディフェンダー4人の中で最も良いプレーを披露。孤軍奮闘していた」と評価。ただ一方で「アーセナルの攻撃陣が手も足も出なかったため、守備力の高さをアピールすることはできなかった。CLの旅はベスト8で幕を閉じた」と綴っている。

 韓国メディアはAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選をはじめとする国際大会や、両国代表選手を擁するクラブ同士の対戦などで、“日韓比較論”を提唱する傾向にある。韓国の優位をアピールする論調を受け流すなど、日本のサッカーファンには冷静な姿勢を保つことが求められる。