東京V、またまた終盤PK献上…「誘われた状況。J2でそれをする選手はいなかった」DF林が痛感した駆け引きの差

スポーツ報知
C大阪に敗れ、肩を落とす東京Vイレブン(カメラ・谷口 健二)

◆明治安田J1リーグ▽第3節 C大阪2―1東京V(9日・ヨドコウ桜スタジアム)

 J1初挑戦の町田は過去20冠を誇る鹿島を1―0で破り、2連勝で2位タイに浮上した。パリ五輪世代MF平河悠(23)がJ1初得点を挙げると自慢の堅守で逃げ切り、2試合連続完封でJ1ホーム初勝利。開幕からG大阪、名古屋、鹿島とタイトル獲得クラブに2勝1分けとスタートダッシュに成功した。16季ぶりに復帰の東京Vは開幕3戦連続で終了間際にPKを与え、C大阪に1―2で、5621日ぶりのJ1白星はならず。チームが直面する「J1の壁」を後藤亮太記者が「見た」。

 悪夢は3度、繰り返された。1―1の後半44分がすぎた直後。DF林がFWレオセアラをペナルティーエリア内で足をかけて倒してしまい、PKを献上した。ともに後半44分にPKで失点した開幕節・横浜M戦(1●2)、第2節・浦和戦(1△1)を再現したかのように終盤、PKでの失点。ネットを揺らされて勝ち越され、またしても勝ち点がこぼれ落ちた。

 J1の壁に直面している。終了間際まで1―0でリードしていた開幕2試合は攻撃力の高い「ゲームチェンジャー」を次々に投入され、押し込まれてPKを与えたが、この日は助っ人FWの駆け引きに沈んだ。林は「相手選手もそれ(倒されてのPK)を分かってやってきたので、ある意味誘われた状況だった。J2でそれをする選手はいなかったので、そこの差は体感した」と振り返ったように、ワンプレーの怖さを痛感した。

 一瞬の隙もあった。PKの直前、GKマテウスがゴール前でビッグセーブを見せ、こぼれ球をDF深沢が回収しかけたが、レオセアラに後ろからチャージを受けてボールを奪われ、PK献上につながった。東京Vが主張したようにこのチャージのノーファウル判定には疑問を残すが、深沢が倒れた瞬間、足が止まってしまったのもまた事実。林は「冷静に対応できずに軽率だった」と話した。最後の冷静さ、集中力がJ1で勝つためには欠かせない。

 後半9分にFW木村の2戦連続得点で追いつき、後半20分に1人退場となってからもDFラインは高く保った。チームとしてC大阪に勝負できていたからこそ、悔しさは残る。次々に直面する壁を乗り越えた先に、新たな歴史をつくる1勝がある。(後藤 亮太)

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