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まさに華々しい復活だ。

幾度もの大ケガを経験してきた宮市亮が、ザンクト・パウリで充実の日々を送っている。今季は開幕から公式戦11試合連続でフル出場。サイドバックからアタッカーまでこなし、ヨス・ルフカイ監督から全幅の信頼を置かれている。負傷によってハイデンハイム戦ではベンチスタートとなり、連続での先発は途絶えたが、ザンクト・パウリで確固たる立ち位置をつかんでいることに疑いはない。

30日に行われたDFBポカール2回戦フランクフルト戦では、ベンチ入りしながら出場なしに終わった宮市。それでも、ミックスゾーンでの取材に丁寧に応じ、今季のここまでを振り返ってくれた。

(取材・文=島崎英純)

◆けがに苦しんできたキャリア

 ザンクト・パウリのホーム、ミラントーア・シュタディオンのゴールライン脇でウォーミングアップに励んでいた宮市亮は、3人目の交代選手としてチームメイトのボリス・タシュチーがヨス・ルフカイ監督から呼ばれると、ピッチ方向へ目を向けながら静かにベンチへと戻っていった。長谷部誠、鎌田大地を擁するアイントラハト・フランクフルトとのDFBポカール(ドイツカップ戦)2回戦で、彼は出場機会を与えられなかった。

「先々週の試合で打撲して(ブンデスリーガ2部第10節・ダルムシュタット戦)、次の試合(同第11節・ハイデンハイム戦)はちょっと出場したんですけども、明後日も試合があるので、監督は『ローテーションしていく』とミーティングで言っていた。だから、(今日は出場できなかったが)週末に出られたらなとは思いますけども」

 険しく厳しいプロサッカー人生。宮市は、ケガとの戦いを強いられてきた。2010年の冬にアーセナル(イングランド)と4年契約を結んで勇躍欧州へ飛び立ってから約9年の歳月で、左足首捻挫、右肩負傷、右足首靭帯損傷、左ハムストリング損傷と、常にどこかの箇所を痛めていた。2015年6月、アーセナルとの契約が解除されてフリーの身になった彼は新天地へと赴く。それはドイツ北部のハンブルクを本拠とし、髑髏(ドクロ)のシンボルマークを掲げる熱狂的なサポーターを有するザンクト・パウリだった。

 しかしチーム加入から1か月後に出場した親善試合で左足前十字靭帯を断裂して約10か月の離脱を余儀なくされると、その後も右脚肉離れ、脳震盪などに苛まれ、2017年6月には再び右足前十字靭帯断裂の大けがを負ってしまう。結局ザンクト・パウリに加入してから4シーズンの成績は公式戦出場49試合7得点・2アシスト。文字通り苦悩の日々が続いた。

◆「初めてこれだけ充実したシーズンを過ごす」

 そんな宮市が、今季2019-2020シーズンで素晴らしいスタートを切った。今季着任したルフカイ監督の信頼を受け、主に右サイドで重要な役目を担い、開幕から公式戦11試合連続で先発フル出場を果たす。

「本当に、サッカー選手になって初めて、これだけ充実したシーズンを過ごせているのかなと。試合にもコンスタントに出られていますし、ケガなく、このまま1年やっていきたいなと思います」

 ダルムシュタット戦で負った打撲は幸い症状が軽く、翌節のハイデンハイム戦で途中出場し、フランクフルト戦でもベンチ入りした。今の彼に焦燥の念は感じられない。達観した表情で話を紡ぐ。

「本当に、今までいろいろなことがあったというか、ケガをたくさんしてきましたけども、なんて言うんですかね、今はサッカーができる喜びを身に染みて感じています。毎日毎日、日々サッカーができることに感謝して、結果は後から付いてくるものだと思うので、あまり先を見ている感じはないですね」

 プロサッカー選手は試合に出場し続けることで過酷なシーズンを戦う体力を身に着けていく。かつての宮市はそのルーティーンを与えられなかったが、今の彼には落ち着きを保てる環境がある。

「フィットネス的にもだいぶ変わってきました。昨シーズンに初めて試合で使われたときは55分くらいで足が攣っていたので、そこから比べるとだいぶ良くなったと思います。試合に使ってもらっているので、1週間のリズムも自分の中で整理できるようになってきました。ケガをする前よりもスピード自体は上がっているとも思います。やっぱり僕の武器はスピードなので、それをチームに還元できればいいかなと思います」

◆夢はまだ見ない…しかし確かにある代表への思い

 今季の宮市はサイドバックを任されることもある。未知のポジションだが、本人はその役割を意義深く受け止めている。

「1対1の競い合いでも行けるようになりましたし、守備ができるようになってきたかなとは思いますね」

 それでも、何度も絶望の縁に立たされてきた彼は、主力として貢献する現状を至極冷静に捉えている。

「本当に長年、プロになってからいろいろな経験、苦しい思いをしてきたので。そういうところのコントロールは自分なりにはできているかな。試合に出してもらっていると欲が出やすいんですけども、そこをぐっと抑える。僕は欲が出るとプレーが空回りしてしまうタイプなので、欲を出さずにというか。自分ができることにフォーカスしてやっていければ、結果は自ずと付いてくる。しっかり毎日、やるべきことをやるだけだと思っています」

 どんな困難に直面しても決して挫けなかった。サッカーへの想いを繋ぎ止められた理由は、幾つもある。

「もちろんサッカー選手ですから、ケガはつきものではありますしね。本当に、そうですね……このままでは終われないという思いもありました。また、ファンもそうですし、家族もそうですし、こんなに歩けない状態になっても、まだ僕のことを信じてくれる人がいた。『まだ、お前はできるぞ!』と言ってくれた人がたくさんいたんです。それを含めて、今、もう一度ピッチに立って、試合に出られている。そういう人たちのためにも、しっかりプレーして僕がやれることをやっていきたいですね。それにザンクト・パウリに対しても、これだけ2回、3回と大ケガをして、それでも(2021年6月まで)契約延長をしてもらって、すごく恩があります」

 その先の夢は、まだ見ない。それでも少年の頃から憧れた舞台に思い焦がれることはある。

「日本代表については、代表(チーム)が決めることというか、しっかり見てもらえるようなプレーを続けたいと思いますけども……。選ばれるならば、今すぐにでも行きたいですよ。もちろん、それは日本人として、代表は行きたいです。でも、それでもやっぱり、あまり先を見すぎず、欲を出し過ぎず(笑)」

 不出場に終わったフランクフルト戦後に10分以上も取材対応してくれた彼は、こちらが『長々と(対応をしていただき)ありがとうございます』と声をかけると、「こちらこそ、また、よろしくお願いします」と言って頭を下げ、すでに誰もいなくなったミックスゾーンを静かに去っていった。謙虚で慎ましやかなその背中にはしかし、揺るぎない、気高き情熱の炎が映し出されていた。

島崎英純
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191101-00010010-goal-socc



1 2019/11/01(金)
本人の頑張りも凄いが、怪我の多さを知りながら獲得してくれて、しかも加入間もなく大怪我を繰り返しても尚、契約し続けてくれたチームも凄いよ。宮市亮という選手の人柄がそうさせた部分は多大にあるんだろうが、それでも外国人選手に対してここまでしてくれるチームはそこまで多くないし、本当にありがたいね。チームと共に昇格して欲しいな。

2 2019/11/01(金)
チェルシー戦の打ち抜き方や、フェイエノールトでの活躍を見て、期待も大きかった選手なだけにその後の怪我に泣かされ続けてきた現実は、本人にはより辛いものだったろう。
いつか代表に、そして大舞台に帰ってきてほしいとは思うけど、今は本当にサッカーを楽しんでほしい。

3 2019/11/01(金)
プレミア時代ですごく好きになり、怪我が多くなった時はもう選手として終わっちゃったのかなって思ってたけど、ここまで復活するなんて、素晴らしいと思います。
好きというか尊敬に値します。
これからも頑張ってほしい。

4 2019/11/01(金)
チェルシー時代のダビドルイスやイバノビッチとかをぶち抜いて行ったシーンはかなり印象的だったな。
やはりスピード系の選手はケガが多くなってしまうね。
本人もよく折れずに頑張ってきてるなぁ。
ザンクトパウリには是非昇格してほしい。
最後のインタビューのこちらこそありがとうございましたっていうのも素晴らしい人間性だな。

5 2019/11/01(金)
ボルトン時代にイバノビッチとケーヒルを一人でぶち抜いた時はとんでもねぇなと思ったし、すごい好きな選手。
幾度となく大怪我をしたけど、ここ近年は怪我も少なくなってきてるし、これから旬を迎える選手だから、まだまだ頑張ってほしい。

6 2019/11/01(金)
彼の精神力、継続する努力には、唯々、頭が下がります。オランダにいた頃の彼のドリブル、フェイント、これほど見ていて楽しいサッカーアスリートはいなかった。その後、心が折れたであろう怪我を何度も。。。いやはや、尊敬します、そして楽しくサッカーが続けてられるよう切に願います。

7 2019/11/01(金)
素晴らしい選手に成長したと思う。世間的に見ればただのブンデス2部の選手だけども、彼は今最高に輝いてる。

8 2019/11/01(金)
ずっと好きで応援してきただけに、
いまコンスタントに試合に出られている事が嬉しい。
このまま大きな怪我なく、活躍するのを見続けたいね

9 2019/11/01(金)
凄いよ 苦難を乗り越えてきている今の人としての成長も凄いだろうし、全てを受け入れているザンクトパウリも凄い サッカーを楽しんでほしいね

10 2019/11/01(金)
フェイエノールト時代の旋風は凄まじかった。
ロナウジーニョのような活躍としてリオジーニョとか言われたくらい。
でもそれを過去にせず、挑み続けている宮市の姿勢と諦めずに契約してくれたクラブの厚意はきっともっと報われる。
痛みを知る選手は強い。

11 2019/11/01(金)
何度も重症をおって諦めずに這い上がってきたメンタルは凄い。
負傷しにくい走りに変えて一時走力も落ちたが慣れてきてスピードも戻ってきた。
代表に呼ばれても良いレベル

12 2019/11/01(金)
カッコいいぞ宮市、人間的にも魅力になったはずだ

13 2019/11/01(金)
苦労が彼を謙虚にしたのか 元々だったのか知らないけど、もし今の彼が生意気な性格だったら、メンタル強いな。プライドが高いほど大成するんじゃないかな。

14 2019/11/01(金)
応援してます。乗り越える辛さを克服し、
海外のプロリーグで活躍する意味。
強い気持ち持ってる選手だと思う。

15 2019/11/01(金)
人間的にも成長していて、この先がますます楽しみでなりません。

16 2019/11/01(金)
まだ26歳というのが凄い。
すでに普通の選手の何倍も様々な経験を積んでいる気がする。

17 2019/11/01(金)
がんばってほしいが、もう代表には呼ばないほうがいい。
代表戦でまた怪我でもしたら目も当てられない。

18 2019/11/01(金)
あーマジで怪我なく頑張って欲しい!
頑張れ

19 2019/11/01(金)
いうでまだ20中盤
ビッグクラブや代表の一員にだってまだなれるチャンスはあるはず

20 2019/11/01(金)
テクニックに体がおいついてきたんかな
ロナウドと同じ

21 2019/11/01(金)
凄く宮市に対してリスペクトしている記事な気がする。ちょっとグッときた。頑張って欲しい選手だよ宮市は。

22 2019/11/01(金)
足が早くて技術がしっかりしている稀少な日本選手

23 2019/11/01(金)
宮市は終わった…引退かな?…
とも思っていただけにここから代表に選ばれたら泣けるね
神様、もうこのまま大きな怪我はさせないで下さいませ

24 2019/11/01(金)
本当にメンタルが強い。そしてサイドバック有りですね。

25 2019/11/01(金)
ベンゲルがサイドバックで使うべきだったな~

26 2019/11/01(金)
華のある選手だし語学も怠らない。
勿体無いなー
ステップアップ出来るといいな。

27 2019/11/01(金)
なにが、人生においてサッカー選手において大切かを、感じさせてくれる!
幸せな生き様に思う!

28 2019/11/01(金)
縄跳びやってたらぶちっといって慢性的にふくらはぎ痛くなったからどうすればよくなるか教えてほしい
まあ2年後代表でみたいです 海外トップレベルのフィジカル引っさげて サッカーIQもね

29 2019/11/01(金)
おんなじポージング

30 2019/11/01(金)
ザンクトパウリのユニホームがカッコいい。












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