「漁師になるのが夢だった」J2清水に入団内定の阪南大・高木践が会見「必ずJ1に昇格させたい」

スポーツ報知
来季からJ2清水に加入する阪南大・高木(中央、右は朴監督、左は清水・兵働スカウト)

 関西学生サッカーリーグ1部の阪南大で、来季からJ2清水への入団が内定しているDF高木践(せん)=阪南大高=19日、大阪・松原市内の同大学で会見を行った。高校卒業時に「漁師になるのが夢だった」という高木は、「清水ならサッカー選手としても人間としても成長できると思った。1年目から試合に出て、チームに貢献して必ずJ1に昇格させたい」と意気込みを語った。

 174センチの身長ながら、大学サッカー界屈指のセンターバック(CB)として注目を集めてきた。長身のFWを相手にしても抜群のジャンプ力でピンチを防いできた。清水は大学2年時の3月から注目してきた。「ひと言で言うと『守備のうまい選手』。相手のFWが力を発揮できない。距離の詰め方、カバーリング、コースの読み、数的不利でも守ってしまう。簡単にクリアしないで味方につないで攻撃の起点にできる」。清水の強化部スカウト担当・兵働昭弘氏は、開幕スタメンを期待する。練習参加を経て、他のクラブに先駆けて正式オファー。高木は今年3月に入団を決めた。

 プロではCBだけでなく、サイドバック(SB)としてもプレーする。すでに今季、リーグ戦で2試合、ルヴァン杯で2試合の出場を経験した。目標の選手に挙げるのは同じチームの先輩でとなり、左右のSBをこなす吉田豊。「球際の強さ、おもしろさ(笑い)。何もかも自分より上の人」と評した。「みんなから応援される選手になりたい。まずはしっかりJの舞台で活躍することが自分にとって大事」と目標を語った。

 高校時代もJ2水戸の練習に参加したが、「(プロ入りする意思は)全くなかったですね」と言い切る。「世界は漁師の方が減ってきているので、『自分が魚を釣って、みんなに貢献したいな』と思っていたんですけど…」と明かして笑いを誘った。続けて、「でも、プロになる、というより、大学で4年間サッカーを続けて、人間性も含めて成長して就職しよう、と思っていたんです」。高木が高校3年時の翌シーズンから水戸の監督に就任したのが、現在の清水・秋葉忠宏監督だった。「秋葉さんとご縁もあるし、契約した時も連絡させていただきましたが、まあ、(自分を)いっぱい使ってくれるかな、と思ってます」とおどけた。

 阪南大は1968年創部で関西学生リーグで12度の優勝を誇る。全日本大学選手権(インカレ)では一昨年を含め2度の準優勝。総理大臣杯では2度の優勝経験がある。主なOBにはJ1神戸DF本多勇喜、川崎MF脇坂泰斗らがいる。同大学のOBで神戸でのプレー経験がある朴成基監督は「自分の体の磨き方にまだまだ甘さがある。鍛え抜く、というか。大げさかもしれないですけど、サッカー界の大谷翔平くんみたいな、それを目指すくらい、自分の体の能力の最大値を出せるようにすることで、子供たち、それ以外の人にも夢を与えられるんじゃないかと思います」とエールを送った。

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