Jリーグ「秋春制」移行に仙台が反対票投じる意向表明「納得感を得られる具体的な解決策ない」14日実行委員会

スポーツ報知

 サッカーのJ2仙台は13日、開幕時期を現行の2月から8月に変更するJリーグの「秋春制」移行について“反対票”を投じる意向を表明した。全60クラブが賛否の投票を行う14日の実行委員会を前に「課題解決のめどが立つまでは、シーズン移行に対して『反対』を表明せざるを得ません」とする声明を発表した。すでに新潟が反対の意向を示しているが、投票における“反対票”の表明は全60クラブで初となる。

 声明は板橋秀樹・代表取締役社長の署名によるもの。公式サイトに掲載された。「冬季における試合開催の困難や(冬季中断期間導入による)平日開催の増加、行政年度とのズレによる公共施設の会場確保、移行に伴う臨時的支出の増加など経営に与えるインパクトなど、乗り越えるべき課題は山積している」などとした。

 クラブは10月28日にファン、サポーターとの意見交換会を実施し、意見をまとめた。移行に際し、リーグ側は分科会を設置するなどしてフラットな立場で議論を進めてきたが、10月の実行委員会で賛成の立場で議論を進めていくことを表明。仙台など降雪地に本拠地を置くクラブに対してのサポート態勢も打ち出していたが、仙台は「60クラブ共同で検討作業が続けられている途上にあり、納得感を得られる具体的な解決策が示されるに至っておりません」との立場を表明した。

 Jリーグは14日の実行委員会で移行の方針を固め、19日の理事会で承認する青写真を描く。投票は「賛成多数」が濃厚だが、仙台が反対の立場を表明したことで、情勢に一石を投じる形となった。リーグ側が反対意見に対して、どのような姿勢を示し、どのような決議を行うか注目される。

 ◆秋春制議論の経過

 ▽08年10月 当時の日本協会・犬飼基昭会長が10年からの移行を主張し、ACLが移行する可能性があること、アジア連盟からも賛同を得ていることを明かす

 ▽同11月 犬飼会長が東北6協会と会談。強い反対出ず

 ▽同12月 「実行委員会シーズン制検討プロジェクト会議」で、移行に賛成したのは浦和、G大阪、湘南だけ

 ▽09年3月 当時のJリーグ・鬼武健二チェアマンが、10年からの秋春制移行見送りを発表

 ▽13年6月 実行委員会が秋春制移行に初めて合意も、再議論した16年以降からのスタートは見送り、具体的な時期は定めず

 ▽16年1月 日本協会会長選で秋春制移行を主張する田嶋幸三副会長(当時)が当選

 ▽17年12月 Jリーグ理事会が、日本協会の田嶋会長が提案した22年から秋春制に移行する案を否決

 ▽22年2月 ACLの23年からの秋春制移行が決まる

 ▽23年12月14日 Jリーグ実行委員会で60クラブから賛否を問う

 ▽同19日 Jリーグ理事会で秋春制移行の可否を最終決定

サッカー

×