クラブ初の国内3大タイトルを「ONE TEAM」でつかみ取る。北海道コンサドーレ札幌は、26日のルヴァン杯決勝(対川崎F、埼玉スタジアム)に全選手、スタッフ、クラブ職員ら総勢90人で会場に乗り込む。

札幌・宮の沢で練習した22日には、野々村芳和社長(47)が、優勝すれば全選手へ勝利給をプレゼントすることも明言。クラブ一丸となって頂点を目指す。

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クラブ創設24年目で初めてのタイトル獲得へ。選手、スタッフ、フロントが一体となる。通常、ベンチ入りメンバーのみが遠征するアウェー戦だが、26日のルヴァン杯決勝には、クラブ職員を含め、全員で乗り込むことが決まった。90人近い大所帯。交通費も倍以上の出費となるが、野々村社長は「それはどうでもいい。クラブの未来のためには経験する価値がある」と言い切った。

さらなるモチベーションアップも図る。この日、札幌・宮の沢での練習が終わると、クラブハウス内で選手を集めた。激励とともに発表したのが、優勝の暁には、全選手へ勝利給を支払うこと。通常は出場時間によって額も変わり、ベンチ外メンバーには払われないものだが、「ベンチに入って1分も出なかろうが、ベンチ外であろうが、同じく払う。1人1人『チームを勝たせたい』って思いを、この数日間でしっかりと持ってもらいたい」と話した。

難敵相手の大一番だ。川崎Fには過去公式戦24試合で1勝のみ。それでも同社長は「ギリギリの勝負になった時、強いとか弱いとか以外の部分で、このゲームに対して普段どう取り組んできたかっていうチームとしての姿勢が問われるって俺は思う」。FW鈴木武蔵(25)も「全員でタイトルを取るって気持ちが大事。その意思確認ができた。あとは優勝するだけ」と力を込めた。選手間では、勝利給の一部をスタッフへ還元するプランも検討されている。日本一をかけたトライへ、札幌のスクラムは、しっかりと組まれている。【保坂果那】