唯一参戦したフランス馬イレジンの取材で感じた今後のジャパンC外国馬

スポーツ報知
イレジンのジャンピエール・ゴーヴァン調教師(右)とマリー・ヴェロン騎手(カメラ・池内 雅彦)

 11月26日に行われたジャパンCはイクイノックスが圧勝してリバティアイランドが2着。前評判通り日本勢で決着し、海外から唯一の参戦だったフランスのイレジンは9着に終わった。

 今年の目玉になるはずだったハーツクライ産駒のコンティニュアスが直前で来日を取りやめたとはいえ、今年も外国馬の減少傾向に歯止めはかからず。22年から東京競馬場内に国際厩舎を新設。さらに今年から1着賞金を5億円に増額して賞金面の魅力を高めたが、海外一流馬の集結にはつながらなかった。

 イレジンの年内最終戦の候補はチャンピオンS(英G1)かジャパンCだったという。ジャンピエール・ゴーヴァン調教師は出走の経緯について「昨年からJRAのパリ事務所の方から何度もお誘いをいただいていましたし、前走の6週間後でタイミングがいいというのもありました。チャンピオンSから香港国際競走という選択肢もありましたが、香港は気候が不安定というのもありましたので、ジャパンCに決めました」と説明してくれた。

 JRAの熱心な招致活動の成果が出た一方、利便性がよくなった国際厩舎と5億円だけでは、海外馬にとって魅力あるレースではなかったということなのだろう。今年はイクイノックスの出走もあって海外メディアが多数来日していたが、その多くが「日本の馬場は硬くて時計が速い」という認識だったことも日本遠征を避けている一因のように感じた。

 学生時代に観戦した96年(1着シングスピール、2着ファビラスラフイン)、97年(1着ピルサドスキー、2着エアグルーヴ)あたりのジャパンCは、今だに強く印象に残っている。まだ改善すべき点は多そうだが、日本馬VS海外一流馬の真剣勝負を国内で観戦できる日を心待ちにしている。(中央競馬担当・西山 智昭)

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