森保一監督、「変化」のサイド攻撃と「継続」の守備で日本代表歴代最長タイ8連勝

スポーツ報知
シリアに快勝し、選手たちに話をする森保監督

◆26年北中米W杯アジア2次予選 日本5―0シリア(21日・サウジアラビア・ジッダ)

 【ジッダ(サウジアラビア)21日=星野浩司】日本(FIFAランク18位)はシリア(同92位)に5―0と圧勝し、開幕2連勝でB組首位を守った。日本は国際Aマッチで過去最長に並ぶ8連勝を記録し、過去5戦全敗の“鬼門”サウジアラビアでの初白星で年内最終戦を終了。親善試合、アジア杯を経て、第3戦は来年3月21日にホームで北朝鮮と対戦する。

 厳しい条件が重なった中立地での年内最終戦を歴史的勝利で締めた。日本歴代最長タイの8連勝。しかし、気温31度、湿度55%の蒸し暑さの中、ジャケットを脱ぎ開幕2連勝だけを狙った森保一監督(55)は記録を知らなかった。試合後には「実は今、知りました。集中を切らさず戦ってくれた」と誇ることなく、選手をたたえた。16日のミャンマー戦からの長距離移動、酷暑、中東の独特な雰囲気、三笘や鎌田ら5人の負傷離脱。格下相手とはいえ不安要素もあったが、終わってみれば5発快勝だった。

 カタールW杯から1年。9月に強豪ドイツに4―1など8戦34得点と無双状態が続く。背景には森保監督が進める「変化」と「継続」がある。進化が著しいのはサイド攻撃だ。この日は前半32分に右から得点し、37分の2点目は前左深くへ走った伊藤のクロスから。40分には再び右サイドの崩しから3点目を奪った。

 1月就任の名波浩コーチが主導でサイド攻撃に厚みが増した。練習ではクロス・シュートを反復。また、映像やパワーポイントを使い、オーバーラップやニアゾーンを攻略した回数、ゴール前に入った人数などを具体的な数字を提示した。前田遼一コーチを含め「新しい風が入り、本当に積み上げがある」と指揮官は言う。

 変わらない強みもある。保持率71%、シュート数19対2と押し込む中、ボールを奪われた直後には攻守を素早く切り替えて回収。どんな相手でも守備を怠らず、指揮官は「凡事徹底をしてくれた」とかみしめた。

 欧州組不要論もあったが現時点のフルメンバーを招集し、2戦で試合登録の全24人を起用。鈴木らパリ五輪世代にも経験を積ませながら、2チーム分の戦力で連勝をつかんだ。23年は8勝1分け1敗。来年元日のタイ戦、アジア杯を経て、3月に2次予選の北朝鮮戦を控える。「強い相手により勝ち、勝って当たり前の相手に勝つことを続けていく」。目標の世界一へ、24年も森保監督が手綱を緩めることはない。

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