久保建英ら主力8人先発へ シリア戦で「世界一」仕様のターンオーバー術 スタメン大幅入れ替え濃厚

スポーツ報知
シリア戦の日本代表の予想布陣

 【ジッダ(サウジアラビア)18日=ペン・星野浩司、カメラ・今成良輔】日本代表は26年北中米W杯アジア2次予選第2戦の中立地・シリア戦(21日)に向けて、当地で練習を行った。16日のミャンマー戦(5〇0)で温存したMF久保建英(22)=Rソシエダード=ら主力8人を先発起用し、前回W杯予選の連戦時は見られなかった大幅入れ替えが濃厚だ。森保一監督(55)が掲げる「世界一」仕様のターンオーバー術構築の狙いを「占う」。

 イスラム教の礼拝呼び掛けが大音量で響くジッダでの初練習。ミャンマー戦の先発組らが軽くジョギングする中、久保や伊東、遠藤や菅原らがミニゲームで鋭い動きを見せた。初戦で温存した主力8人がシリア戦で先発濃厚。主将の遠藤は「2次予選はターンオーバーできるだけの力が日本はある。当たり前にやっていくべき」と強調した。

 勝利が強く求められる真剣勝負のW杯予選。シリア戦は4―5―1の布陣でスタートし、試合中にミャンマー戦のように4―3―3に変わるとみられるが、先発の8割近くの入れ替えは異例だ。第1次森保政権のカタールW杯予選(2次、最終)。計6回あった中4~5日の2連戦の選手変更は本戦出場決定後のベトナム戦を除けば、多くても4人だった。吉田麻也、長友佑都、酒井宏樹のベテラン3人や南野ら中心選手は固定起用するケースが多かった。「実績重視で、若手起用しない」と揶揄(やゆ)されても、指揮官はブレずにベスト布陣を追求した。

 W杯でも初戦のドイツ戦から次戦のコスタリカ戦で先発を5人変更したが、第2次政権からさらに大幅に入れ替えた。9月のトルコ戦はその前のドイツ戦から10人、10月のチュニジア戦はカナダ戦から7人を替えた。主軸を固定しながらの変更でなく、極端に戦力が落ちない2チーム編成をテスト。国際Aマッチ7連勝と結果も得た。

 出場への欲は全選手に当然あるが、「海外組はターンオーバーの理解度が高い」と遠藤は言う。今回の海外組18人中、9人が欧州カップ戦(CL、EL、UCL)に出場。週2戦ペースをこなす所属チームで大幅変更が日常茶飯事で、けが予防や負担経験のために受け入れる土壌が整っている。

 格下相手が続く2次予選に欧州組は不要との声もある。遠藤も「自分たちはどれだけやる意義があるか」と疑問は尽きない。だが、代表期間中に先発変更で負担を調整して試合を重ね、ミーティングや食事で行う情報交換が結束や化学反応を生む側面もある。「世界一」仕様のターンオーバー構築を進めながら、歴代最長タイの8連勝をつかむ。

サッカー

×