痛い敗戦でうなだれる選手たちが、冷たい雨に打たれた。清水エスパルスは2試合連続で逆転負け。FWドウグラスの3試合連続ゴールは空砲に終わった。篠田善之監督(48)は「またしても悔しい敗戦になってしまった」。リードを奪った前半31分以降は防戦一方。スコア以上の完敗だった。

先制した直後から押し込まれ、主導権を握られた。カウンター狙いの攻撃も迫力を欠き、クリアしたボールはことごとく相手に渡った。約2年ぶりの先発出場となったDF鎌田翔雅(しょうま、30)も「相手のスタイルに対して全部が後手になってしまった」。前半は苦しみながらも耐えしのいだが、逆転されるまで時間の問題だった。

後半9分に失点。選手とシステムを変えて流れを断ち切ろうとした指揮官の采配も実らなかった。守備で体力を奪われると、同35分に決勝点を献上。2失点ともサイドを崩され、クロスに対応できなかった。

「ボールを握られれば体力は失う。それでもやり続けなければいけなかった」。篠田監督は守備の連続性を求めているが、選手がピッチで体現できていない。ドウグラスは「最低でも勝ち点1が必要だった」と試合運びの課題を挙げた。

順位は13位に後退。J2とのプレーオフとなる16位湘南との勝ち点差は「4」に迫っている。リスク覚悟で攻め抜くのか。守り勝つ堅固な守備を構築するのか-。残り5試合となった終盤戦でも、清水の確固たるスタイルが見えてこない。【神谷亮磨】