サッカー日本代表練習に参加わずか9人 三笘姿見せず 冨安は別メニュー 欧州強豪移籍の宿命か

スポーツ報知
別メニューで調整する冨安(カメラ・今成 良輔)

 日本代表は14日、26年北中米W杯アジア2次予選初戦のミャンマー戦(16日)に向け大阪市内で調整した。今季から所属するイタリア1部ラツィオで満足な出場機会が得られていないMF鎌田大地(27)は苦境に立たされた胸の内を明かすとともに、森保ジャパンとクラブでの定位置奪回へ静かに闘志を燃やした。また、欧州トップレベルのクラブに移籍する選手が増えて、代表のレベルが上がった一方で、浮かび上がったコンディション調整の問題点を日本代表担当・金川誉記者が読み解く。

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 ミャンマー戦の2日前、GK3人を除くフィールドプレーヤーの練習に参加したのは、わずか9人(相馬、細谷、南野、中山、毎熊、伊東、伊藤洋、佐野、浅野)だった。この日、帰国した三笘はホテルで静養して姿を見せず、冨安も完全別メニュー。それ以外の選手は軽めのランニングのみ。本来ならW杯予選に向けて、練習で連係などを確認したい部分もあるはずだが、まずはコンディションの調整を優先させた。

 内転筋などの負傷を抱えていた守田は「タイトなスケジュールでけがも増えるでしょうし、いろんな問題もあります。しかし、僕個人的には、問題はないと思います」と気丈に話したが、間違いなく不安要素ではある。

 日本国内での試合に向け、欧州組が試合直前に合流する、という状況は以前から続く。だが、優勝経験国のドイツ、スペインを破って16強入りした22年カタールW杯を契機に、代表選手の多くが欧州カップ戦(CL、EL、UCL)にも参加する、よりレベルの高いクラブに移籍。リーグ戦を含めて週2試合のペースでこなすケースが激増。今回のメンバーでは遠藤、三笘、冨安、守田、鎌田、堂安、上田、久保、菅原、町田、渡辺の11人が欧州カップ戦に出場している。

 前回19年9月のW杯アジア2次予選初戦時には、同カップ戦に参加していたのは長友佑都、南野、中島翔哉の3人のみだった。この4年で選手たちの負担は増したと言える。この日練習した9人は、国内組の3人とカップ戦に出場していない6人。やはり欧州での週2試合の負担は、確実にコンディションに影響を与えている。

 今後も日本代表のレベルが上がる以上、この問題がすっきりと解決することはない。日本がアジアで戦う上で、敵は対戦相手だけではない。(金川 誉)

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