中山雄太、カタールW杯無念の辞退から1年ぶり復帰戦 「けがは過去の話。『新しい中山雄太』として戻る」

スポーツ報知
カナダ戦に向けて調整する中山(カメラ・今西 淳)

 サッカー日本代表は9日、国際親善試合・カナダ戦(13日・デンカS)に向け、千葉市内で始動した。DF中山雄太(26)=ハダースフィールド=は昨年のカタールW杯メンバーに選出されたものの、発表2日後にアキレス腱(けん)を断裂して無念の辞退。昨年9月以来となる代表復帰戦で“新しい中山雄太”を見せることを誓った。

 日本代表の練習着に身を包むのは約1年ぶり。代表スタッフ陣から「お帰りなさい」と笑顔で迎えられた中山は「日本代表としてやれる喜びというか、責任というか。離れていたからこそ、ふつふつと感じます」と頬を緩ませた。

 悲劇に見舞われたのは、カタールW杯メンバー26人に選出された2日後。試合中に右足を痛め、担架で退場。右アキレス腱断裂でW杯出場の夢を絶たれた。

 「やりきって迎えた結果だったので。『次のW杯に向けてどうやっていこうか』しか考えていなかった」。後悔はなかった。自身のSNSに「これが僕の運命だとしっかりと受け止めてます! 神様がくれた進化のチャンスを無駄にせず、しっかりと歩んでいきたいと思います!」などとつづった。

 苦しいはずのリハビリ期間は「短かった。言い方があっているかわからないが、楽しんでその期間を過ごせた」。断裂から約10か月、9月2日に公式戦復帰を果たし「タイミング的に『ここ』だと思っていた」と日本代表復帰の吉報も届いた。

 本職の左サイドバックでは、3月招集のバングーナガンデ佳史扶(かしーふ、FC東京)、6、9月招集の森下龍矢(名古屋)が定着できず。森保一監督(55)は「3バックと4バックで複数ポジションをこなせることを試したい」と期待する。4バック時はサイドバック、センターバック(CB)、ボランチ。3バック時はCB、ウィングバック、ボランチ。“6ポジション”をこなす唯一無二の万能性をアピールする。「けがは過去の話。『新しい中山雄太』として戻ることを頭に置いてやってきた」と力を込めた。

 「新しい中山雄太」とは、どのような選手か。「以前の中山雄太」との違いは何か。「全てはプレーで語ればいいと思っている。プレーを楽しみにしてもらえれば」とベールに包んだ。この2連戦でお披露目となる「新しい中山雄太」が、森保ジャパンにさらなる勢いをもたらす。

(岡島 智哉)

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