シントトロイデンの日本代表GK鈴木彩艶インタビュー 26年W杯へ「優勝は目指せると思うし、その一員になれるように」

スポーツ報知
シントトロイデン・鈴木(C)STVV

 将来の日本代表正守護神として期待されるベルギー1部シントトロイデンのGK鈴木彩艶(ざいおん、21)が9日までに、スポーツ報知のオンラインインタビューに応じた。今回の活動で森保ジャパンに復帰したパリ五輪世代の有望株は、今夏の海外初挑戦や代表への思い、そして未来予想図について語った。(取材・構成=後藤亮太)

 鈴木の穏やかな表情からは、充実した海外での日々が伝わってきた。

 「日本でやってきたことや自分の強みが通用する部分と、まだまだ足りない部分が明確に分かるので、非常に充実感があります」

 ガーナ人の父、日本人の母を持つ身長190センチ、体重91キロの大型GKは日本の未来を担う逸材だ。今夏、浦和からシントトロイデンに期限付き移籍。日本代表の森保一監督が視察したメヘレン戦では初完封勝利(2〇0)するなど、現在6試合連続フル出場で、ベルギーでも十分に通用することを証明している。

 「強みであるキックや、スローイングでチャンスを作れるシーンもあり、クロスでも当たり負けしない部分は通用すると思います」

 一方でJリーグでは体感できなかった壁もあった。

 「アウトサイドでずらされたり、まだまだ独特なタイミングでシュートを打たれた時の対応は足りないです。予想の上をいかれることがありますね」

 ただ、これこそ求めていた環境だ。

 「肌で感じた課題があることは本当にありがたいし、成長につながるモチベーション。そこをどんどん積み重ねていくことで、自分自身としてもレベルアップできると思います」

 今回は所属先でのプレーが評価され、22年7月のE―1選手権以来の代表復帰。浦和でクラブ史上最年少の16歳でプロ契約し、21年東京五輪にも18歳で飛び級で選出された逸材は、シュートストップだけではなく精度の高いキックや足元の技術も高く、日本が9月のドイツ戦(4〇1)で見せたGKからボールをつなぐサッカーへの順応も期待できる。高い能力を発揮すればA代表定着、そして優勝を目指す26年北中米W杯での正守護神も夢ではない。

 「非常に日本のサッカーのレベルは上がっている。(W杯)優勝は目指せると思うし、しっかり、その一員に自分がなれるように努力していきたいです」

 移籍を模索する中でイングランド・プレミアリーグのマンチェスターUから高い評価を受け、獲得の打診も受けた。名門の魅力も感じたが、出場機会優先して地道なステップアップを選んだ。

 「まずはしっかりとクラブで結果を出すこと。その先に、近い将来ですけど、プレミアリーグで活躍したいという思いがあります。それに向けて努力を続けていきたいです」

 無限の可能性を秘める鈴木彩艶。プレミアリーグのピッチに立つ初の日本人GKとしてW杯に出場する姿は夢物語ではない。

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