柴崎岳、7シーズンぶり鹿島復帰合意…恩返しゼロ円移籍、最短10日出場

スポーツ報知
柴崎岳

 J1鹿島は1日、昨季までスペイン2部レガネスでプレーしたMF柴崎岳(31)を獲得することで基本合意したと発表した。2016年以来7シーズンぶりの復帰。背番号は20。4日からチームに合流する。柴崎はクラブを通じて「もう一度、鹿島アントラーズのユニホームを着てプレーできることをうれしく思います。日本でプレーする時はまたアントラーズで、と思っていました」とコメントした。

 柴崎は11年に青森山田高から鹿島入り。在籍6年で5つのタイトル獲得に貢献した。16年シーズンを終え、スペイン2部テネリフェ移籍。スペインの4クラブでプレーした。18年ロシア、22年カタールW杯でメンバー入りするなど日本を代表するボランチだ。

 今夏、レガネスとの契約が切れるタイミングで獲得には移籍金はかからない。関係者によると、柴崎は7年前に移籍金なくスペイン挑戦を容認した古巣への恩義を果たすため、復帰はゼロ円移籍のタイミングと決めていたという。Jリーグの移籍期間は終了しているが、無所属のため9月8日まで追加登録が可能。早ければ、10日のルヴァン杯名古屋戦(カシマ)が復帰戦になる。

 鹿島はJリーグ25節を終えて5位につけ、ルヴァン杯8強と7季ぶりの国内タイトル獲得の可能性を残している。夏場にイタリアから復帰したMF小笠原満男がチームを引っ張り、大逆転でリーグV、天皇杯の2冠を獲得した07年シーズンの再現が期待される。柴崎も「タイトルを獲得できるよう、自分のベストを尽くします」と意気込んだ。

 ◆記者の目 鹿島は「待ち」の姿勢を貫いた。今夏の移籍市場で早々に獲得の意思を柴崎に伝え、正式オファーを提示。以降は選手登録の期限があるにもかかわらず、“口説く”ための面談を設けず、返答期限も設定しなかった。強化部門の関係者は「誰かの意見で決める人間、選手ではない、ということはよく知っています。返事を催促することもないし、彼の決断を待つだけ」と明かす。

 鹿島はここ数年、半年に一度開く移籍市場で毎回獲得の打診を行ってきた。柴崎がスペインでのプレーを強く望んだため、正式オファーには至らなかったが、熱意は年数をかけて伝わった。そして、性格を熟知していたことも獲得に大きく影響したとみられる。古巣だから戻ってくる時代はすでに終わったが、違う形でその強みを生かした獲得劇だった。(鹿島担当・内田知宏)

 ◆柴崎 岳(しばさき・がく)1992年5月28日、青森・野辺地町生まれ。31歳。青森山田高から2011年に鹿島入団。17年1月にスペイン2部テネリフェへ移籍。ヘタフェ、デポルティボと渡り、20年からレガネス所属。18年ロシア、22年カタールW杯メンバー。国際Aマッチ通算60試合3得点。175センチ、70キロ。利き足は右。妻は女優の真野恵里菜。

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