【番記者の視点】川崎、12年ぶり4連敗は免れたが…「あの前半」は一体何だったのか

スポーツ報知
前半27分、札幌・スパチョーク(中央奥)に先制され肩を落とす川崎選手ら(カメラ・川上 大志)

 ◆明治安田生命J1リーグ▽第25節 川崎2―2札幌(26日・等々力陸上競技場)

 【川崎担当・岡島智哉】川崎は2点を追いつく意地を見せたが、悔しいドローに終わった。前半に何も出来ないまま2失点。後半8分の相手DF退場をキッカケに息を吹き返したが、同点止まりで終了の笛となった。

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 前半は今季ワーストの45分間だった。とにかく、何も出来なかった。

 相手の圧力に屈する形でパスを次々と後ろに下げてしまい、攻撃の「こ」までが遠い。プレスもはまらず、選手間の距離も遠すぎた。数的有利になってからの37分間で2点を奪ったが、相手に救われた側面が大きい勝ち点1だった。2011年以来、約12年ぶりとなるリーグ戦4連敗に片足を突っ込んでいた。

 札幌は良くも悪くも、対策を立てやすいチームだ。札幌もそれを承知の上で、プランBを繰り出すのではなく、相手の対策を自力で上回ろうとしてくる。

 しかし前半の川崎に“札幌対策”の形は見られなかった。やりたい放題にスペースを使われ、攻守で後手に回った。川崎は前半をシュート0本で折り返した。

 勝てない時こそ、「自分たち」に矢印を向け、やり方を見つめ直すことは正しい。とはいえ「相手がこう来たらこうする」、もっと言えば「こう来るだろうからこうしよう」という準備があまりにできていなかった。初見の相手と戦うACLならわからないでもないが…。札幌サイドも驚いたのではないか。

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 鬼木達監督は「前半で非常に勿体ないゲームをした」と振り返り、連動しなかったプレス、増えてしまったバックパスなどについて言及した。

 これで、今季成績は9勝6分け10敗となった。残り9試合でどこまで盛り返せるかはわからないが、優勝は現実的ではない。優勝が義務づけられているチームだからこそ、こういった時の目標の置き所は難しい。天皇杯とACLが残っていることは幸いだが…。

 0―2から追いついた、車屋紳太郎の復帰、相変わらず脇坂泰斗が素晴らしい…など、収穫面はしっかりと収穫としてポジティブに捉えながら、反省するところは反省し、前に進んでいくしかない。

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