• トップ
  • ニュース一覧
  • 【小宮良之の日本サッカー兵法書】「いいプレー」とは「試合を支配する」ことなのか? 勝利を目的とするならば必ずしも…

【小宮良之の日本サッカー兵法書】「いいプレー」とは「試合を支配する」ことなのか? 勝利を目的とするならば必ずしも…

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年04月24日

シメオネは「ポゼッションに意味はない」

グアルディオラ率いるマンC(上)とシメオネが鍛え上げたアトレティコ(下)。スタイルは対照的だがともに結果は残している。(C)Getty Images

画像を見る

「いいプレー」

 サッカーでは、その表現が当たり前のように使われる。しかし、いいプレーとは何だろうか?

 その目的だけは、はっきりしている。試合に勝つためにあるものだ。ただ、手段と目的は必ずしも合致せず、その考察はなかなか哲学的なものとなる。

 いいプレー=ボールプレーの質の高さ=試合を支配して勝利する。それは一つの定理だろう。ボールをつなぎ、運び、イニシアチブを取る。それが一般的に、いいプレーと言われる。

 ボールを蹴る、止める――。その精度とコンビネーションの練度の高さがモノを言う。ジョゼップ・グアルディオラが率いるマンチェスター・シティは、その最たるチームと言えるだろう。

 しかしながら、ボールプレーに長けたことのみが、いいプレーを指し、すなわち勝利につながるのか?

「ボールポゼッションに意味はない」

 アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督はそう言って、”いいプレー”を切って捨てる。相手の良さを消し、潰し、後の先をとったカウンターを決め、あとは守りきる。屈強な戦士のような選手と、ゴールを仕留められる選手を前線に配置。効率性を重んじ、勝利を手にする。

 目的を考えれば、これも一つのいいプレー、と言えなくもない。
 
 二つのいいプレーは、アンビバレントな要素を含んでいる。相反するサッカーの捉え方。それはしばしば火花を散らす。

「彼らは、いいプレーなどどうでもいいんだろう」

 ラ・リーガ第23のレガネス戦の後、ベティスのキケ・セティエン監督は忌々しげに語った。

「レガネスは、生き残るためにこの戦い方を選んでいるのだろう。その点ではスペクタクルなほどで、その“労働”ができる選手がメンバーに選ばれている。しかし、我々のような(創造的)サッカーはできない」

 敵の良さを消し、効率的に得点を狙う戦い方で挑んできたレガネスを、キケ・セティエンはそう皮肉った。しかし、0-3で敗れた後だったことで、批判が噴出した。

「我々は戦い方に誇りを持っている。恥じることなど少しもない」

 レガネスのマヌエル・ペジェグリーニ監督は、そう反論している。
【関連記事】
「足を狙ってくる」「ファウルをしろなんて言ったことない!」ダービーを前にスールシャールとペップが舌戦!
識者が選ぶ、平成の日本代表ベスト11!「多士済々のMF陣。俊輔、遠藤、今野も選びたかったが…」
【セルジオ越後】平成の日本サッカーには大きな欠陥があったのではないか
「理不尽で激しい怒りは、いまならアウト」熱血漢トルシエは黄金世代をいかにして鍛え上げたのか
識者が選ぶ、平成の日本代表ベスト11!「W杯出場が叶わなかった選手たちでドリームチームを組んでみた」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ