浦和レッズGK西川周作(34)が、史上9人目のJ1通算500試合出場にあと1試合と迫っている。

18日のC大阪戦(ヤンマー)戦に出場すればGKに限ると3人目。34歳10カ月0日での大台到達は史上最年少で、GK楢崎正剛の36歳7カ月2日を大幅に塗り替えるだけでなく、同僚のMF阿部勇樹が記録した35歳25日を更新することになる。

J1初出場は大分時代の05年7月2日、ホームでの横浜戦(大分スタジアム)。ここで19歳になったばかりの新人GKは異例の記録を残した。0-1の後半35分、敵陣ゴールまでおよそ30メートルの位置からのFKでキッカーを務めたのだ。GKがデビュー戦で直接FKからシュートを放った史上唯一の例。「芝がぬれていたのでグラウンダーで蹴れば相手GKはキャッチできないはず」と利き足の左足を強く振った。

そのキックの能力の高さを見抜いていた皇甫官(ファンボ・カン)監督の指名だったが、シュートは本人のイメージと違い、ゴールのはるか上空へ。すぐに自陣ゴールへと戻っていった。GKとしては異例の見せ場をつくって会場を盛り上げたが、試合は0-2で敗れ、「絶対に無失点に抑えるつもりだったので悔しい」と話していた。

あれから16年。前線への正確なロングフィードでスタンドを沸かせるだけでなく、通算の完封数(フル出場限定)も現役GK最多の153試合に達した。引退している曽ケ端準(鹿島)の169試合、楢崎正剛(横浜F、名古屋)の163試合に次ぐ歴代3位。こちらの最多記録更新も視野に入る。

先月の日本代表の国際親善試合では、およそ3年4カ月ぶりに代表復帰を果たした。2大会ぶり2度目のワールドカップ(W杯)出場を目標に掲げる守護神は、浦和のリカルド・ロドリゲス監督と「シーズンが始まる前の面談で、何としても日本代表に復帰したいと話はしていた。今回の選出を監督も喜んでくれて。自分の夢をかなえ続けてくれ、と。帰ったときにまたチームに還元してくれ、という話はしました」。

実際、西川が代表から帰ってきた後の浦和はリーグ戦3連勝で、2試合連続無失点。チームはそれまでの1勝2分け3敗から巻き返しに成功している。

【石川秀和、栗田尚樹】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)


◆J1通算500試合以上出場(所属と年齢は500試合到達時、★は現J1)

641 遠藤保仁(G大阪)35歳8カ月19日

631 楢崎正剛(名古屋)36歳7カ月2日

593 中沢佑二(横浜)37歳7カ月22日

583★阿部勇樹(浦和)35歳0カ月25日

533 曽ケ端準(鹿島)37歳8カ月14日

525 小笠原満男(鹿島)38歳0カ月11日

517 伊東輝悦(甲府)36歳10カ月16日

501 山田暢久(浦和)38歳1カ月17日

499★西川周作(浦和)34歳10カ月0日(※達成した場合)