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 Jリーグ開幕から1カ月余りが経ち、各チームの戦いぶりの中から徐々に戦力値が明らかになってきた。引き続き新型コロナウイルス感染症に最善の注意を払いながらのシーズンになっているが、今季のもう一つの大きなトピックスが「下位4チームのJ2自動降格」である。そして、まだ序盤戦だとはいえ、J2落ちの危険性が高いチームが、早くも炙り出されている。

 4月7日終了時点で消化試合数にばらつきはあるが、J2落ちの「ボトム4」にいるのは、17位・柏(勝点4、得失点差-7)、18位・G大阪(勝点2、得失点差-1)、19位・仙台(勝点1、得失点差-15)、20位・横浜FC(勝点1、得失点差-17)の4チーム。G大阪は新型コロナウイルスの集団感染の影響で6試合が中止となったことでの順位であることを踏まえると、その上の16位・大分(勝点5、得失点差-5)、15位・湘南(勝点6、得失点差-3)までが危険な状況であり、スタートに失敗したチームと言える。

 この中で早くも黄信号なのが、横浜FCと仙台である。横浜FCは8試合を終えて1分け7敗の最下位。下平隆宏監督の下でポゼッションサッカーを目指し、開幕・札幌戦で中村俊輔をボランチ起用したように中盤のクオリティを上げたい意図もわかるが、結果は前半だけで4失点を喫して1対5の大敗スタートとなった。その後、メンバーを入れ替えながら試行錯誤を続けるも、攻撃は一向に崩しの形を作れず、守備はカウンターの餌食となって崩壊。8試合で5得点22失点という戦いぶりに、サポーターは早くも怒り混じりの“諦めモード”だ。

 4月8日には、チームが下平監督を解任する方針を固めたとの報道がされた。現役最年長の三浦知良や中村俊輔が在籍し、何かと話題となることが多いチームだが、早くもJ1生き残りが厳しい状況となってきている。

 昨季18チーム中17位で本来ならばJ2に降格していた仙台も、実に苦しい状況だ。手倉森誠監督が8シーズンぶりに指揮官に復帰してチーム再建を目指しているが、理想と現実とのギャップが大きく、7試合で19失点。第2節・川崎戦、第3節・鳥栖戦と2試合連続で5失点を喫し、上位陣との力の差をまざまざと見せつけられている。

 横浜FC、仙台の両チームで際立つのが失点の多さ。チーム再建の基本である「まずは守りから」に立ち返らなければ、現在の黄信号は、あっという間に点滅し、赤色に変わってしまう。「4チーム自動降格」故に、史上最速のJ2降格決定となる可能性も、非常に高くなる。

 湘南と大分も危ない。今季がJ1復帰4年目の湘南は、素早い攻守の切り替えを軸に、ハイプレス&カウンターの「湘南スタイル」で戦ってきたが、昨季は18チーム中18位。状況打破のため、シーズン開幕を前に12人の新加入選手を発表したが、同時に多くの主力が流出して戦力値はむしろ低下した感がある。走力が基礎となる「湘南スタイル」を貫くためには、まだ涼しく、疲労蓄積のない春先に勝点をできるだけ積み上げておきたいところだが、開幕8試合を1勝3分け4敗の苦しい滑り出しとなっている。

 片野坂知宏監督就任6年目の大分は、GKも含めた後方からのビルドアップからの“疑似カウンター”を駆使する「片野坂スタイル」で戦ってきたが、最近はその戦術が有効機能しない試合が増加。J1で3年目のシーズンを迎える中で相手チームから研究されると、それを打破する力はなく、開幕7試合を1勝2分け4敗スタート。湘南と大分はここ数年、信念を持って同じ戦術で戦ってきただけに、戦い方を変えることに対する拒否感とリスクもあるだけに難しいところだ。

 現在18位のG大阪は、活動再開以降も勝ち切れない試合が続き、夏場の連戦も懸念されるが、戦力的には2チーム分を作れるほど選手層が厚く、試合さえ実施できれば必然的に勝点は積み上がってくるだろう。その他、スロースターターの鹿島も歯車が噛み合いさえすれば、昨季同様に連勝街道に突入できるはずだ。

 開幕6試合を1勝3分け2敗だった浦和も、その後に2連勝を飾って上昇気流。J2降格候補だった徳島は、ポヤトス監督不在の中でも3連勝を飾って勝点11の9位。同じく厳しい戦いが予想された福岡は、しぶとい戦いを披露して勝点9の11位。もちろん安心するのは早過ぎるが、ひとまずは手応えを感じながらの序盤戦となっている。

 現在17位の柏は、8試合を終えて5得点12失点。昨季7位のチームから32試合28得点のMVP男・オルンガが流出し、現状ではその不在をピッチ上で色濃く感じる試合が続いてしまっている。だが、その“オルンガマネー”で新たに獲得した4人のブラジル人たちが今後、チームの起爆剤となるはずで、ネルシーニョ監督もまだまだ余裕たっぷりであることは心強い。

 そしてこの柏と同じように、来日が遅れていた外国人たちが今後、次々と試合に出場し、それによって各チームの戦い方も変わってくる。同時に、G大阪のように集団感染の可能性も危惧される。重要なことは、チーム全体で危機感を共有できるか。ピッチ内外を問わず、「これくらいなら大丈夫」という心の弛緩が、危機を招くことだけは確かだろう。










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