小学生サッカー春の日本一を決める「JA全農杯全国小学生選抜サッカー決勝大会」の地方予選が6日、福島・相馬市で開幕した。「JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN東北」は7日まで開催され、東北6県から12チームが参加。決勝は宮城県勢対決となり、ベガルタ仙台が2-0でACジュニオールを下して2大会連続4度目の優勝を果たした。決勝を戦った2チームは、全国の強豪16チームによる「JA全農チビリンピック」(5月3~5日、日産スタジアム)での決勝大会に出場する。

試合終了のホイッスルを聞いたベガルタ仙台の選手たちは、喜びをかみしめた。同じ宮城県のライバルに苦しめられたが、第2ピリオドに得たCKを尾立翔琉(5年)が頭でドンピシャ。「入ったと思いました。ボールも安定していたので当てるだけ。流れを持ってこられてうれしかった」と、完璧なゴールで主導権を握り、終盤の追加点で駄目を押した。

コロナ禍で思うような活動ができない状況を、力に変えた。オンラインを活用して分析の仕方を学び、練習を組み立てるなど試行錯誤。自主性が育ち、福田監督は「相手を見て『こうしよう』と考えられるようになってきた。ACジュニオールさんはプレッシャーもすごいし、球際も強い。そこを見ながら戦えたのは成長」と手応えを口にした。

さらに今年は〝日替わりキャプテン〟制だ。福田監督は「まだ決まっていないだけです(笑い)」と言ったが、尾立は「みんなの分も頑張らなきゃと思うようになりました」。主将を任された準々決勝ではPK戦の辛勝。その悔しさを決勝にぶつけた。準決勝で主将を務めた吉原希音(5年)はハットトリックの活躍でチームを牽引し、2大会連続の頂点に上り詰めた。

前回の全国決勝大会は4強進出も、優勝したセンアーノ神戸に敗れて日産スタジアムでのプレーはかなわなかった。福田監督は「ピッチが変わるところまで行こう、とよく言っているんです。立たせてあげたい」。吉原も「2カ月後、日本一になります」と力強く宣言した。

 

決勝トーナメント全試合の結果は以下の通り。

 

<準々決勝>

ACジュニオール 3-0 勿来・フォーウィンズ

青森FC 1-0 盛岡太田東

ベガルタ仙台 0-0(PK2-1) バンディッツいわき

FCサン・アルタス 2-0 鶴岡JrFC

 

<準決勝>

ACジュニオール 1-0 青森FC

ベガルタ仙台 4-0 FCサン・アルタス

 

<3位決定戦>

青森FC 0-0(PK3-2) FCサン・アルタス

 

<決勝>

ベガルタ仙台 2-0 ACジュニオール

 

〈主催〉日刊スポーツ新聞社〈後援〉日本サッカー協会、東北サッカー協会〈特別協賛〉全国農業協同組合連合会(JA全農)