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「代表は意識せず一生懸命にやっていた」広島MF森島司、“ACL組”からの飛躍へ

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サンフレッチェ広島MF森島司

[6.18 ACL決勝T1回戦第1戦 鹿島1-0広島 カシマ]

 “控え組”という扱いも受けたACLで出場機会を掴み、いまや堂々の主力としてクラブ史上初のアジア8強を見据えている。サンフレッチェ広島MF森島司はACL決勝トーナメント1回戦第2戦に向けて、「ホームなので最初からアグレッシブに行きたい」と意気込みを語った。

 第1戦は0-1での惜敗に終わったが、今季ACL6試合目の22歳はたしかな存在感を放った。「剥がすシーン、仕掛けるシーンはもう少し増やさないといけない。後半はスペースがあったので、もっとゴール前のチャンスを作らないといけない」。敗戦後ということで課題の指摘が目立ったが、ボールを持てば違いを作れそうな予感は感じさせた。

 グループリーグでは5試合に先発。リーグ戦と異なるメンバーで臨むこともあったため、一部では「ACLを捨てている」との批判も受けながら、5勝1敗という華々しい成績で決勝トーナメント進出を果たした。森島自身も第6節のメルボルン・V戦でプロ初ゴールを記録し、アジアの舞台が22歳の飛躍を導いているのは間違いない。

 一方、J1リーグ戦では開幕12試合でわずか『35分』の出場時間にとどまっていた。しかし、結果が出たメルボルン・V戦の後に行われたJ1第13節浦和戦でさっそく先発の座をつかむと、その試合で自身のJ1初ゴールとアシストを記録。すると、城福浩監督は以降のリーグ戦2試合でもフルタイム起用を続けている。

「得点を取れたのも良かったし、セットプレーでアシストできたのも良かった。アシストと得点はこれまで自分の中で課題だったので、そこが出せていることがいま試合に出させてもらえている理由だと思う」。

 またその間、チームは2勝1敗という好成績を残し、直前まで続いた5連敗の絶不調から脱却。「手応えはあります。ACLで出ていて結果を残して、Jリーグにそのままの勢いでいけた。自分的にも良かったし、チームがいい状態じゃなかったのを変えられたのも良かった」。そうした活躍が評価され、ACL決勝トーナメント1回戦では主力中心のメンバー構成だったが、森島はフル出場を果たした。

 1997年生まれの東京五輪世代だが、トゥーロン国際大会のU-22日本代表、コパ・アメリカに参戦中のA代表には選外。それでも「それまで試合に出ていなかったし、チームも勝てていなかったし、代表は意識せず一生懸命にやっていた」と気落ちはしていない。まずはクラブでの活動に全てを注ぎ、第2戦での逆転突破に向けて「早い時間に1点を取るため、最初からアグレッシブに行く」と意気込む。

(取材・文 竹内達也)
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