ヴィッセル神戸の新指揮官は熱いデータマン!? 神戸は18日、練習拠点の神戸市いぶきの森球技場で一般公開の練習を行い、約500人のサポーターが詰めかけた。

ドイツ人のトルステン・フィンク新監督(51)の初陣となった15日FC東京戦で1-0勝利。試合前日のギリギリまで就労ビザが下りなかったため、指導0日のぶっつけ本番となったが、勝利の裏に新監督がもたらした“改革”が明らかになった。

MF三田啓貴(28)は「細かい分析、データが出るようになった。要求がはっきりしているから、選手として分かりやすい」。DF初瀬亮(21)も「相手がどういう時間帯に失点しているとか、細かい分析がすごくよかった。そこで1歩リードできた」と振り返る。

試合中はベンチ前で顔を真っ赤に、指示を飛ばし続けたフィンク監督だが、ゲーム運びについてはデータを重視した緻密な側面を持つようだ。東京戦では、攻撃的位置が多かったイニエスタを中盤の底に下げ、ボールの保持とゲームの組み立てに成功した。また、1トップが多かったFWウェリントンをトップ下。三田は「セカンドボールを狙っている上で、そこは戦術としてやってきた」と明かす。

東京の4-4-2システム、カウンターを警戒すべき戦術を分析した上で戦い方を組み立てた。フィンク監督も16日に「次の対戦相手によって戦い方は考えていく。各ポジションの争いが激しくなるのはチームにとっていいこと」と話している。三田は「頭を使うこともフィジカルも両方、高いレベルで求められる」と話し「自分の印象では監督はまじめ。緻密な分析力がある」と話した。

オフ明けにハードな練習を行う方針で、この日も3時間近く練習は続いた。三田は「練習の後も室内で筋トレでけっこうきつかった」と苦笑いも、新体制の方向性に手ごたえを得ている。今季3人目の指揮官が、迷走してきた神戸に明確な方向性を与えられるか。