【サンパウロ(ブラジル)16日(日本時間17日)=岡崎悠利】日本代表は17日(日本時間18日)、南米選手権の1次リーグ初戦でチリと激突する。20年東京オリンピック(五輪)世代が主体のチームで、苦戦も予想される。準備期間も短い中で、森保一監督(50)がA代表と五輪代表を兼任している長所が生きるかが試される。指揮官は最低勝ち点1を目標とし、大会連覇中の強豪に挑む。

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試合会場での前日会見に出席した森保監督は、いつもの温和な表情を消して言った。「(チリが)どれだけ強いチームかは認識しているつもり」。立ち向かう壁の高さを示唆しつつ、最低勝ち点1を得ることをノルマに掲げた。

厳しい戦いになる。3連覇を目指すチリは、大会の約2カ月前から合宿や6度の親善試合を行うなど周到に準備してきた。一方、日本は11日に集合し、本格的な練習は現地到着後の13日からだった。キリンチャレンジ杯などもあり、日本はこれが精いっぱいだった。指揮官は「準備期間が短い中でどれだけ成熟して戦えるか」と話した。

選手の招集に関する言葉も対照的だった。拘束力のない日本。森保監督が「なかなか思うようには招集をさせてもらえなかった」と五輪世代が中心となった経緯を説明した。チリのレイナウド監督は「(招集の)過程は非常に順調だった。今日のトレーニングで準備は完成した」と大きな自信を見せた。加えて日本代表が1度も勝利のないアウェー南米の地。若い選手をコントロールする指揮官の采配にも重圧がかかる。

森保監督は「多くの選手は私が五輪世代の監督に就任してから呼んだ。コンセプトは若い選手も理解していると思う」と、兼任の長所である意思疎通の早さに期待を寄せた。「南米の地で勝利がないデータはあるが、日本はロシアワールドカップ(W杯)でコロンビアに勝って新しいデータを作っている。南米選手権でも勝利をつかみ取れるように」。まさに挑戦者。南米の雄に一泡吹かせる準備を、ぎりぎりまで整える。【岡崎悠利】