J1ベガルタ仙台は27日、宮崎・西都キャンプ3日目のメニューを消化した。午前は9種類のサーキットトレーニングで体に負荷をかけ、午後は13対13のフォーメーション練習などを行った。日々、練習の強度が上がっていくが、高卒3年目のMF田中渉(20)、DF照山颯人(20)の「タナテル」コンビが元気だ。今季の大ブレークを果たすべくアピールを続けていく。

田中は左足が武器のゲームメーカーだ。サーキットトレーニングを終え「率直にきつい練習でしたけど、自分が強くなるためには必要なこと」。体力、走力、持久力の強化に重点を置く。昨季は公式戦初戦のルヴァン杯浦和戦で2ゴールして2年目を好発進。リーグ戦では7試合に出場した。

課題と向き合う田中は「フィジカルや走力、守備面の強度が全然足りないので、そこを克服したい。1試合フルに戦いきれる選手になり、得点やアシストの結果にこだわりたい」。3年目は持ち味を存分に発揮し「攻撃のアクセントになるパス、試合を決められるスルーパス、ミドルシュートを見てほしい」と勝ち点を呼び込むプレーを誓う。

昨季の照山はシーズン途中にJ3沼津へ期限付き移籍も、約2カ月で仙台に復帰。昨年10月、途中出場でJ1デビューすると、ラスト3試合で先発フル出場した。練習を振り返り「ロープだったり普段あまりやらないことが取り入れられ、腕や胸のあたりがきつかった」。徐々に練習の強度が上がることに対しても「歓迎です」と頼もしかった。

照山は「去年のキャンプはけがをして、出だしでつまずいた。今年1年、レギュラーでプレーする気持ちで臨みたい」。けが回避へDF真瀬、DFアピアタウィアと一緒に買いに行ったポール型マッサージ器具を持参。就寝前、練習前後に使い入念にケアを続ける。

仙台の20歳コンビが欠かせない戦力へと急成長を遂げる。【山田愛斗】

○…手倉森監督の愛弟子が、持ち味の「突破力」で仙台に溶け込んでいる。J2長崎から新加入のMF気田は、切れ味鋭いドリブルを生かし、昨季は指揮官の下で32試合4得点の活躍を見せた。新チームでは「みんなとコミュニケーションが取れているし、外国人選手とも頑張って(英語で)話しています」。プレースタイルと同様に積極果敢だ。