明大出身のルーキー、北海道コンサドーレ札幌FW小柏剛(22)が、同世代NO・1の座を目指す。20日、沖縄キャンプでフルメニューを消化。高卒でプロ入りした同い年の選手とはキャリアで4年分の差はあるが、大学サッカー界で活躍したアタッカーのプライドを持ち、プロ1年目からリーグ屈指の選手へ上り詰める。

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小柏は燃えている。沖縄キャンプ3日目。ポゼッション(ボール保持)中心の練習で軽快な動きを見せた。明大3年だった昨年2月、練習参加して実力を証明してラブコールを受けた。あれから1年。Jリーガーとしての生活がスタートして「もう学生じゃなくてプロの一員」と自覚たっぷりに走りだした。

目標を達成できず、悔しい思いをして沖縄キャンプに臨む。大学最後の全国大会「#atarimaeni CUP」では日本一を目指していたが9日の東海大との2回戦でPK戦の末敗れた。先制点を決めたが、惜敗した。同期のチームメートになる法大GK中野小次郎は21日の準決勝早大戦、勝ち上がれば23日の決勝が控えるため、まだ合流していない。「優勝して大学日本一って肩書でここに合流したかった。この悔しさをJリーグで晴らしたい。しっかりキャンプでいい準備をしたい」とかじを切る。

同じ98年生まれは海外、国内ですでにプロとして輝かしい活躍を見せている。川崎F・MF田中は昨季のJ1&天皇杯2冠チームの立派な主力だ。19年にヤングベストプレーヤー賞も獲得している同い年を、小柏も意識し「自分は大学に進んだ中で置いていかれていると思っていたけど、大学で積み上げることで違った価値観や学びがあった」。ピッチに立てばプロ年数は関係ない。4年間の経験を生かして、ルーキーイヤーから存在感を示していくつもりだ。

そのために必要なのは得点と理解する。常に掲げているのは「しっかり試合に出て得点を重ねる。チーム内得点王を目指す」。今季12人のJリーガーを輩出した名門で、主将で10番を担った札幌期待の新人。昨季公式戦5試合では決められなかった初ゴールさえ決まれば、勢いに乗るはずだ。【保坂果那】