【高校サッカー】ロングスローから2発!青森山田4発で3年連続4強でも“公開説教”

スポーツ報知
前半16分、内田のロングスローを頭で合わせた秋元(中央)が、青森山田2点目のゴールを決める(カメラ・宮崎 亮太)

◆第99回全国高校サッカー選手権▽準々決勝 青森山田4―0堀越(5日、駒沢陸上競技場)

 4強が出そろった。2大会ぶりの王座奪還を狙う青森山田(青森)は、DF内田陽介(3年)のロングスローから2得点を挙げるなど、堀越(東京A)に4発快勝で貫禄を見せつけた。準決勝は9日に行われる。

 青森山田DF内田の両腕がムチのようにしなり、ゴール前へ絶好球が届けられた。1―0の前半16分、左サイドの深い位置からのロングスロー。キックと見まちがえるほど美しく鋭い放物線が伸び、走り込んだDF秋元が豪快に頭で合わせた。同32分には、ライナー性のボールを入れた内田のロングスローから、こぼれ球をFW名須川が決めた。4得点中3点をロングスロー絡みで奪った3回戦・帝京大可児戦に続き、この日も4得点中2点が“人間砲台”のアシストで生み出された。

 一般的にCKとFKを指す「セットプレー」という言葉は、内田を擁する青森山田ではスローインも含まれる。主将で浦和内定DF藤原は「高い位置でセットプレーが取れたのが勝因」と振り返った。内田が「(昨年度から)飛距離は変わっていないが、ボールの質やスピードは変わってきた」と自信を示すロングスローは、2大会ぶりの頂点を目指すチームの大きな武器となっている。

 結果だけ見れば4発大勝。17本のシュートを浴びせ、打たれたシュートはわずか2本。それでも試合後、場内での勝利監督インタビューを厳しい表情のまま終えた黒田剛監督(50)は、そのまま選手を集めて鬼の形相を浮かべた。「こんなのじゃ、話にならないと。厳しく言わせてもらいました」。無得点だった後半のパフォーマンスに納得いかず、後手に回った守備陣の対応に「下がりすぎて間延びしていた」、交代で出場した選手には「やってもらいたいことをやってもらえなかった」などと手厳しかった。

 “公開説教”は5分以上続き、ゴールと無失点で勝利の立役者となった秋元は守備面を厳しく指摘され、悔し涙を浮かべた。黒田監督は矢板中央との準決勝に向け、「改善要素を持って次に進めることを良しとしないといけない」と力を込めた。前回大会準V校にとって3大会連続4強は、頂点への通過点にすぎない。(岡島 智哉)

 ◆青森山田・内田の今大会ロングスロー

 ▼3回戦・4―2帝京大可児 0―1の前半13分、ロングスローにDF藤原が頭で合わせ同点。さらに39分MF松木がロングスローを起点としたゴール前の混戦から右足で決めた。後半20分にはロングスローからDF秋元が、36分には再び藤原が得点し突き放した。

 ▼準々決勝・4―0堀越 前半16分、ロングスローにDF秋元が頭を合わせチーム2点目。同32分、ロングスローを一度はクリアされるも再び内田が頭でゴール前に送り、FW名須川が右足でネットを揺らした。

 ◆内田 陽介(うちだ・ようすけ)2002年8月20日、埼玉県生まれ。18歳。熊谷東中ではクマガヤSSCに所属。青森山田では2年時からレギュラーで、昨年度の全国高校サッカー選手権も全5試合に出場。今大会もここまで全3試合にフル出場。169センチ、69キロ。

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