【磐田】サイド攻撃に固執 MF遠藤保仁の加入で浮上チーム好影響

スポーツ報知
10月に加入した磐田MF遠藤はパスやセットプレーでチームを変えた

 Jリーグが20日、2020年のシーズンを終えた。J2ジュビロ磐田は就任2季目のフベロ前監督(46)の下、1年でのJ1復帰を狙ったが、クラブ最低となるJ2・6位。今季磐田を取材した山田記者と甲斐毅彦記者が総括した。J3藤枝MYFCは10位、アスルクラロ沼津は12位だった。

 山田「磐田は選手を半数近く入れ替え、開幕。でも連勝がなかなかできず、フベロ監督が目指すサイド攻撃も通用しなくなった」

 甲斐「前半戦は特にアウェーで苦しんでいたね」

 山田「ある関係者は『昨季までJ1にいたチームだから研究される立場。でも一辺倒のサイド攻撃に固執しているようだった』と言っていた。クロスなどサイド攻撃にたけた選手が多くなかっただけに、もう少し磐田に合ったサッカーをしても良かったような」

 甲斐「フベロ監督はどう思っていたんだろう?」

 山田「指揮官に近い関係者は『(磐田就任前まで指揮を執った)パラグアイ1部ではサイドチェンジを繰り返せば後半25分以降、相手が疲れてきた。でも今年は、コロナ禍による過密日程の特例で5人まで交代が可能で、はまらなかった』と。今年は前後半に1度ずつ飲水タイムが設けられて、休憩時間もあった。自動昇格圏の2位と勝ち点差15になった9月30日の山口戦後に、解任。鈴木政一監督(65)が就任した。G大阪からMF遠藤保仁(40)も加入した」

 甲斐「4年前に遠藤をインタビューして聞いた話が、実際にプレーを間近で見て腑(ふ)に落ちた。『プランどおりに進む試合なんて一つもない。だからいつも先入観を持たずに臨む』と心構えを話していたんだけど、プレーに力みや、変な執念を感じさせず、自然体でいられるのは、その心得があるからだと思う。勝っていても負けていても、いつも冷静。こういう選手はなかなかいないはずだし、鈴木監督が『見習ってほしい』と言っていたのはこういう点なのではないか」

 山田「遠藤加入後は9勝6分3敗。25節には14位まで落ちたけれど、最終的には6位まで浮上した」

 甲斐「加入後に遠藤が出場しなかったのは3試合。水戸には1―2で敗れてしまったけど、町田には2点先制された後、驚異的な粘りで3点奪って逆転した。選手たちにはヤットさんがいなくても戦えるというところを示したかっただろうし、特に遠藤にレギュラーを奪われたMF上原力也(24)はロスタイムに同点弾を決めたし、意地を感じた。これも含めて良い影響だったと思う」

 山田「6月の株主総会後に小野勝社長が『(昨年6月まで6季監督だった)名波氏にすべてを任せすぎた』と反省。来季も鈴木監督が続投する見込みだけど、名波氏の退任後は迷走している印象もある。16日のホーム最終・町田戦ではサポーターが横断幕などで『新しい血を注入するとき』『クラブの覚悟に裏切られたシーズン 史上最低の結果に本気で向き合え』と厳しい言葉も。名門復活には大きな改革が必要な気がするなあ」

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