【甲府】首位と直接対決今季初4連勝ならず 宮崎純真はプロ1号「決められてよかった」

スポーツ報知
プロ初ゴールを決め、ゴール裏をガッツポーズで駆け抜けた宮崎

◆明治安田生命J2リーグ第17節 甲府2―2山形(8日・中銀スタ)

 ヴァンフォーレ甲府は、ホームで首位・山形と激戦の末2―2で引き分け、勝ち点1を獲得した。1点を追う後半17分、途中出場の高卒ルーキーFW宮崎純真(19)=山梨学院=がプロ初ゴールで同点とした。再び失点も、後半ロスタイム3分、FW佐藤洸一(32)が起死回生の同点弾を決めた。甲府は今季初の4連勝こそ逃したが、山形との勝ち点3差をキープした。

 19歳ストライカーが、そのゴールセンスで輝きを放った。0―1の後半17分だ。MF内田健太(29)からの折り返しを、ゴール右の角度のないところから、難しいハーフバウンドをダイレクトに押し込んだ。ホームの大歓声に包まれた宮崎がベンチ方向へ向かうと、サブメンバーからもみくちゃにされ、祝福された。

 宮崎は「難しいシュートだったけど、決められてよかった。(コースは)あそこしか空いてなかった」と喜んだ。FWドゥドゥ(29)が負傷したため、前半41分に緊急出場した。5月12日の栃木戦(0●1)で途中出場しプロデビュー。この日が3戦目だったが、宮崎がドリブルで仕掛けるだけで中銀スタジアムには、期待感にあふれる歓声がわき起こった。

 東京・府中市出身。スタンドには祖父・大関友司さん(79)ら家族が応援に駆けつけていた。サッカーを始めたのは、友司さんがスクール入りを薦めてくれたことがきっかけ。「おじいちゃんの前で決められてよかった」。家族の前で最高の恩返しとなった。

 途中出場した宮崎と佐藤洸のゴールで勝ち点1を拾った伊藤彰監督(46)は「宮崎や森(晃太)が活力を与えてくれた。今後期待できる選手が出てきた」と評価。風があったものの警戒していた気温は33・2度に達し「お互いに消耗したゲームになった。最後は暑さで山形さんも守りきれなかったのではないか」と話した。

 負けこそ逃れたが、警戒していたセットプレーから失点するなど課題も残した。左肩周辺の負傷で交代したドゥドゥの次節出場も微妙だ。「追いついて良い雰囲気で終われたが、しっかり足元を見据えて戦いたい」と指揮官。混戦が続く上位戦線に改めて気を引き締めた。(西村 國継)

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