【なでしこイレブン】〈4〉INAC神戸MF・中島依美、小4から阪口追いかけ夢つかむ

スポーツ報知

 中島依美(28)=INAC神戸MF=は圧倒的な運動量とドリブル、正確なパスが持ち味。チームで攻守において存在感を見せている。今年の代表戦では6試合中5試合に出場し、右MFの定位置を確保。セットプレーのキッカーを務めることも多く「そこで点が取れたら、みんなを楽にできる。責任というか、質を高めないといけない」と自覚は強い。

 サッカーを始めたのは小学4年生の時。所属した大阪のクラブにはMF阪口夢穂がいた。当時から阪口は中盤を担い、自身は前線でプレー。指導していた穂積一さん、美佐緒さん夫妻は「夢穂ちゃんからパスが出たら一生懸命走って、ミスすると怖いから上手になったんじゃないかな」と冗談交じりに振り返った。

 MF乾貴士(ベティス)と同じ滋賀・野洲高を卒業するまで、地元の野洲から大阪・高槻のクラブまで約1時間半かけて通っていた。練習は月曜日以外毎日で、夏休みは3部練の日もあった。定期代は3か月で6~7万円。「幼いながらきっと、親にお金を出してもらっているから頑張ろうと思って、最後まで残って練習していた」(美佐緒さん)。もともと両足ともキック精度が高く、スピードもあった。阪口を追いかけてレベルの高い環境で練習を重ね、どんどん上達していった。

 小学生時代から培われたスタミナを武器に、ポニーテールをなびかせながらサイドを疾走する。成人式に合わせて髪を伸ばし始めてから同じスタイルで「今さら切るのももったいないし、切って男子みたいになっちゃうのは嫌なんです」。優勝した11年ドイツW杯の直前に国際親善試合・米国戦でA代表デビューしたが、本大会は選外。15年カナダ大会でも外れ、今回が“3度目の正直”となる。「サッカーをやっている以上は目指すべき場所。優勝という目標に、全員が一緒の方向を向いて戦いたい」。強い思いをプレーで表現する。(小又 風花)

 ◆中島 依美(なかじま・えみ)1990年9月27日、滋賀・野洲市生まれ。28歳。小学4年でサッカーを始め、クラブチームのFCヴィトーリアなどでプレー。2009年にINAC神戸加入。なでしこリーグのベストイレブンは3回(13、17、18年)。11年5月の米国遠征でなでしこジャパン初選出。昨季はアジア杯、アジア大会の優勝に貢献。国際Aマッチ70試合14得点。158センチ、48キロ。趣味はショッピング。得意料理はハンバーグ。

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