【なでしこイレブン】〈3〉岩渕真奈「今大会は自分が」強い精神力でチームの柱に

スポーツ報知
小学生の頃の岩渕と原玄さん(原さん提供)

 W杯は11年ドイツ大会から3大会連続出場。巧みなフェイントと緩急つけたドリブルで相手を翻弄する26歳は「今大会は自分が、という思いは強いです。責任感を持って、自覚を持って、チームに貢献したい」と意気込む。

 クラシックバレエとピアノを習っていた小学2年生時に、兄の影響でサッカーを始めた。誕生日には「プレゼントはいらないから試合を見に連れて行って」とねだるほど没頭した。日テレの下部組織に加入すると頭角を現し、16歳でA代表デビュー。11年ドイツW杯ドイツは、チーム最年少の18歳で優勝を経験。12年ロンドン五輪と15年カナダW杯で準優勝に貢献した。

 経験や得点力だけではなく、周囲を巻き込む明るさと人なつっこさ、そして強い精神力がある。それは度重なるけがの時も変わらなかった。15年春。小学生時代のチームメートの原玄(げん)さんは、友人と岩渕が所属していたドイツ・バイエルンに会いに行った。当時はけがをしていたため、チームでは別メニュー。自宅でもジムに置いてあるような大きな器具を使ってリハビリをしていた。だが「つらさを全く見せず、気さくに振る舞ってくれた。真奈らしいなぁ、かっこいいと思った」と原さん。ベーグルなどの朝食でもてなし、一緒に練習場までのドライブを楽しんだ。思い浮かぶ表情はいつも笑顔だ。

 ロンドン五輪は右足第五中足骨を疲労骨折しながらも出場。カナダW杯も直前に右膝を負傷した。今年も痛めた膝の回復が遅れていたが、メンバー入り。「前回もたくさんの人が必要と言ってくれたり、応援してくれた。見えないところでの力は自分を動かしてくれている。色んな人に色んな気持ちを伝えたい」。逆境にも明るく、前向きに立ち向かってきた芯の強さはチームの支柱となる。

(小又 風花)

 ◆岩渕 真奈(いわぶち・まな)1993年3月18日、東京・武蔵野市生まれ。26歳。05年に日テレ下部組織のメニーナ入団。07年にトップチームデビュー。12年11月にドイツ1部ホッフェンハイムに移籍し、14年にバイエルン加入。17年からINAC神戸へ。08年のU―17W杯は8強で敗退も異例のMVPを受賞。10年になでしこジャパン初招集。国際Aマッチ通算61試合20得点。156センチ、52キロ。

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